こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの白石です。

 

人件費を抑えて人を雇う手段として、さまざまな業界で利用されている人材派遣サービス。

物流業界でも、一時的な人材不足を補う方法として活用する企業が増えてきています。

 

しかし人材派遣サービスを利用したことがない企業にとっては、派遣会社に払う金額の目安や内訳が想像できないというケースも多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、人材派遣サービスを利用する際に企業が派遣会社に払う金額の相場を紹介するとともに、その内訳やマージンの仕組みを解説します。

派遣会社に払う金額を抑える方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

 

企業が派遣会社に払う金額は?相場を詳しく解説!

人材派遣における派遣料金は、どのように決まるのでしょうか。

企業が派遣会社に払う金額の目安を詳しく解説していきます。

 

業種ではなく職種で相場が決まることが多い

人材派遣の費用は業種によって決定すると思われがちですが、業種による派遣相場に大きな違いはなく、どちらかというと職種に依存することが多いです。

その理由は、同じ業種であっても職種によって必要な技術や採用難易度が異なるためだと考えられます。

 

厚生労働省による「平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、1日8時間あたりの派遣料金の全職種平均は23,044円(1人あたり)となっています。

もっとも高い職種は「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」で1日36,193円、もっとも安い職種(宗教家を除く)は「農業従事者」で1日11,783円の派遣料です。

 

物流業界における職種で見ると「製造技術者」で24,150円、「自動車運転従事者」で16,084円となっています。

 

相場の目安としては専門的な技術が必要な職種で1日1人あたり2〜3万、その他の職種で1〜1.5万円ほどと考えておくと良いでしょう。

 

地域によっても派遣料金の差は大きい

派遣会社に払う金額は、人材を雇う地域によっても差が大きいです。

 

わかりやすく、物流業界における地域別の平均時給を見ていきましょう。

下記の表は、派遣情報サイト「リクナビ派遣」の平均時給計算ツールを使用して導いた地域別の製造・物流・軽作業等における全職種の平均時給(2022年7月現在)です。

地域 平均時給
関東・東京23区 1,562円
関東 1,398円
北海道 1,205円
東北 1,141円
北信越 1,163円
東海 1,308円
関西・大阪市 1,347円
関西 1,328円
中国・四国 1,151円
九州・沖縄 1,154円

 

この表を見ると分かる通り、1番高い東京23区の平均時給と1番低い東北地方の平均時給には421円の差があります。

数百円の差ですが、1日8時間で計算するとその差は約3,400円にもなります。

 

この数値はあくまで各地域での平均時給ですが、時給が高くなればその分派遣会社に払う金額も高くなるのが一般的です。

派遣会社に払う金額を計算する際には、どの地域で利用するのかも考慮しましょう。

 

 

派遣会社に払う金額の内訳も確認!マージンの仕組みや相場の差とは

派遣会社に払う金額の一部が派遣社員への賃金(給料)となることは容易に想像できますが、それ以外にはどのような費用が含まれているのでしょうか。

 

一般社団法人日本人材派遣協会が発表している「派遣料金の内訳」では、派遣会社に払う金額の内訳は、以下のようになっています。

  • 派遣社員への賃金:70%
  • マージン(営業利益):1.2%
  • 事務所や人材募集など派遣会社の諸経費:13.7%
  • 社会保険料:10.9%
  • 有給休暇費用:4.2%

 

内訳の中でもっとも多いのは派遣社員への賃金で、全体の70%程を占めています。

有給休暇費用や社会保険料などを含めた「派遣社員のための金額」が約85%を占めているということになります。

 

その他派遣会社の事務所費用や人材募集など、派遣会社の諸経費として約14%を使用するため、企業が派遣会社に払う費用のうち、派遣会社の利益は残りの1.2%程度なのです。

 

マージンが安いという理由だけで派遣会社を選ぶのは危険

派遣会社に払う金額は上で紹介したものが一般的ですので、派遣会社によって派遣料金に差があるのは「マージン」の影響と考えて良いでしょう。

マージンとは企業が派遣会社に払う紹介料や仲介料みたいなもので、いわば派遣会社の利益となる部分です。

 

企業の人事担当であれば派遣会社に払うマージンは安ければ安いほうが良い、マージン率が高い派遣会社はぼったくりなのでは?と考えがちですが、実はそうとも言い切れません。

 

マージンには、派遣会社での福利厚生費用や教育にかかる費用なども含まれています。

マージンが高い派遣会社はその分、派遣社員へのケアやサポートが充実している可能性もあります。

制度やサポート体制の充実度は、派遣社員の仕事に対するモチベーションにもつながってくるためとても重要です。

 

もちろんマージンが高い派遣会社のすべてが良い会社だと言い切れるわけではありませんし、マージンが低くても優秀な人材を多く派遣してくれる会社もあります。

 

派遣会社を選ぶ際には、マージンだけでなく、マージンが使われていると想定できる制度(福利厚生・スキルアップ制度・派遣社員へのサポート具合など)とのバランスをチェックすることが大切です。

 

マージンの差以外にも相場に違いが出ることも

職種や地域、マージンの差以外にも、派遣会社の金額に差が出る要因は多くあります。

 

例えば、次のようなものです。

  • 派遣会社へ依頼〜派遣までのスピード・期間
  • 勤務日数(フルタイム勤務か週に何日かの勤務か)
  • 最寄り駅からオフィスへの距離・アクセス

 

人材派遣サービスの利用を検討する際には、これらの要素も加味した上で相場をチェックすることが大切です。

 

 

派遣会社に払う金額を抑える方法もチェック!

実際に人材派遣サービスを利用する企業の人事担当であれば、派遣会社に払う金額はできるだけ抑えたいと思うもの。

そこで、派遣会社に払う金額を抑える3つの方法をご紹介します。

 

複数の派遣会社を比較して検討する

前述したとおり、マージンの相場は派遣会社によって異なります。

また、派遣会社によって得意分野や所属している派遣社員の数や職種はバラバラです。

そのため、同じ職種で同じ地域でも派遣会社によって社員1人あたりの派遣料金には差が出てきます。

 

最初から1つの派遣会社に絞るのではなく、いくつかの会社に見積もりを依頼して予算と合う派遣会社を利用しましょう。

ただし先ほども解説したように、派遣料金が安くてもその分社員へのサポートが充実しておらず結果的にコストが無駄になってしまうケースもあるため、料金のみで比較するのは避けるべきでしょう。

 

料金、派遣社員へのサポート制度や福利厚生、派遣会社の得意分野などさまざまな観点で比較して検討するのがおすすめです。

 

キチナングループの人材派遣サービスは、山口県宇部市、山陽小野田市を中心とした地域密着型の物流業に強い人材派遣サービスです。

該当地域での採用にお困りの人事担当の方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

希望条件を整理する

派遣会社からの見積もりが想定よりも高額の場合、希望条件を整理することで派遣料金を抑えられる可能性があります。

 

一般的には、派遣社員に求めるスキルが高ければ高いほど金額が高額になります。

「本当にここまでのスキルが必要か?」のように希望条件を整理してスキルレベルを見直すことで、派遣料金の負担を軽減できます。

 

また、数ヶ月の短期から年単位の長期期間へ、オフィスへの出勤から在宅勤務へなど雇用形態を少し変更するだけで派遣料金に影響が出ることもあるため、今一度希望条件を見直してみましょう。

 

業務の効率化を意識する

すでに人材派遣サービスを使っていて勤務している派遣社員への賃金が高いと感じる場合は、業務の効率化を行い、できる限り残業を減らすことも考えてみましょう。

派遣社員の残業代は派遣料金をもとに計算されていて、直雇用の社員よりも高くなる傾向にあるためです。

 

派遣社員の残業が日常化している場合には、どの仕事にどのくらいかかっているかを改めて整理し、無駄な残業を減らしましょう。

会社全体で業務の効率化を意識することで、派遣社員をはじめすべてのスタッフのスキルアップにもつながりますよ!

 

 

派遣会社に払う金額は複数の要素で決まる!

人件費を抑えて人を雇う手段としてさまざまな業界で利用されている人材派遣サービスは、物流業界でも多くの企業で導入されています。

派遣会社に払う金額は派遣社員の職種や雇う地域、派遣会社のマージンなど複数の要素で決定するため、バランスを見て利用する派遣会社を選びましょう。

 

「派遣料金が高い=派遣会社が儲かっている」と考えがちですが、実は派遣料金に含まれるマージンは派遣社員への福利厚生や教育にかかる費用なども含まれているのです。

すべての派遣会社がそうだとは言い切れませんが、マージンが極端に安い場合は派遣社員への制度や教育が行き届いていない可能性も考えましょう。

 

少しでも派遣料金を抑えたいという場合は、複数の派遣会社を比較すること、希望条件を整理すること、業務を効率化することを試してみてくださいね。

 

キチナングループでは、山口県宇部市、山陽小野田市を中心とした地域密着型で物流業に強い人材派遣サービスを提供しています。

利用を検討している企業の人事担当の方は、ぜひ一度ご相談くださいね。

この記事を書いた人

白石 重利

キチナングループ株式会社 生産事業部 課長

2021年中途入社。キチナングループ株式会社 生産事業部営業部。前職では大手人材企業で営業や人事にも関わっていました。プライベートでは家族との時間を大切にしています。子供がかわいすぎます。趣味はサッカーと大学時代にも夢中になっていたバンド活動。好きな言葉は「環境は自分で創る」。

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