こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの採用担当中谷です。
就職活動で企業研究をしていると、「BtoB」や「BtoC」という言葉を耳にすることもあるでしょう。
物流業界にも「BtoB物流」と「BtoC物流」があり、それぞれ特徴が異なります。
近年はスマートフォンの利用率増加などによってECサイトの普及が拡大し、EC市場におけるBtoB物流の市場規模も拡大しています。
今回は、BtoB物流についてのお話です。
BtoB物流とは何なのかという基本から、BtoC物流との違いや今後のBtoB物流の予測などもあわせてご紹介します。
BtoB物流とは?
就職活動企業研究をしていると、「BtoB」や「BtoC」という言葉をよく耳にすると思います。
実際にビジネスの場でもさまざまなシーンで使われていますよ。
「B」は「Business(企業)」、「C」は「Consumer(消費者)」を意味していて、「BtoB」は「Business to Business(企業が企業に向けて行うビジネス)」、「BtoC」は「Business to Consumer(企業が消費者に向けて行うビジネス)」を指します。
例えば、「メーカー→商社→小売→消費者」の流通においては、メーカーから小売までのビジネスはBtoB、小売から消費者のビジネスはBtoCとなります。
BtoB物流の特徴
BtoBやBtoCはさまざまな業界で使われる言葉で、もちろん物流業界でも使用することがあります。
「BtoB物流」とは、企業間取引における物流(商品の地理的な移動の流れ)のことで、次のような特徴があります。
出荷数量が多い
企業間取引のため、1つの納品企業に対する出荷量が多く、一度の納品数量が数百〜数万となる場合もあります。
高積み可能な倉庫が必要
倉庫では膨大な数量の在庫を保管する必要があります。
その際にはパレット(荷物をのせる荷役台)を使用して高く積み上げるため、高積み保管できる天井の高い倉庫が必要です。
また、パレットを積み上げる際などに使用する、フォークリフトの用意も必須となるでしょう。
ケースの外装に内容明細が記載されている
保管商品のケースには、どの商品がどのくらいの数量入っているかわかるように、外装に内容が明記されています。
納品先にあわせたルールの導入が必要
企業間取引のため、納品先の企業が優位な立場であるケースが多数です。
そのため、企業は納品先の量販店などが設けた納品ルールを取り入れたり、物流システムを導入したりする必要があります。
高度な物流品質が求められる
誤った商品を納品したり、商品に異物が混入していたりすると、納品先の企業は大きなダメージを負うため、ビジネスが停止になる可能性があります。
そのため、常に高い物流品質を保持することが重要です。
BtoB物流と比べられるBtoC物流との違い
BtoBとよく比べられる取引に、「BtoC(Business to Consumer:企業が消費者に向けて行うビジネス)」があります。
「BtoC物流」とは、企業・消費者間の取引における物流のこと。
たとえば、私たちが普段コンビニやスーパーなどで買い物をしたり、旅行でホテルを利用したりするのは、すべてBtoCに該当します。
また、最近市場が活発になっているECサイトの利用もBtoCにあたり、この取引における商品の地理的な移動の流れのことを、BtoC物流と呼びます。
なお、BtoBとBtoCのほかに、「BtoE(Business to Employee:企業が従業員に向けて行うビジネス)」や、「BtoG(Business to Government:企業が行政に向けて行うビジネス)」、「CtoC(Consumer to Consumer:消費者から消費者に向けて行うビジネス、個人間取引)」などがあります。
さらに、「CtoBtoC(Consumer to Business to Consumer:企業が消費者間のビジネスに仲介に入る形態)」や、「DtoC(Direct to Consumer:自社で製造・企画した商品を自社サイトで直接消費者に向けて行うビジネス)」など、さまざまなビジネスモデルがありますよ。
BtoB物流とBtoC物流の違い
BtoB物流とBtoC物流には、次のような違いがあります。
出荷数量の違い
BtoB物流は1つの納品企業に対して数百〜数万なのに対し、BtoC物流の出荷数量は1点から多くても10点ほどと、納品数が大きく異なります。
受注件数の違い
BtoB物流では決まった企業に対してまとめて納品しますが、BtoC物流では不特定多数の消費者に対し、その消費者に合わせた商品を納品します。
そのため、BtoC物流では受注件数が多くなり、ピッキング作業の増加など従業員への負荷も増大。
また、BtoC物流は毎月決まった取引があるわけではないため、出荷予測がしづらいという特徴もあります。
商品点数の違い
BtoB物流では1つの商品に対し膨大な数量の在庫を保管しますが、BtoC物流ではさまざまな消費者との取引にあわせて、豊富な商品点数を抱えています。
そのためBtoC物流で使用する倉庫は、在庫を保管する棚割りなどが複雑なため、ピッキングミスなどが起こりやすくなります。
ルール適用の違い
BtoB物流とBtoC物流には、それぞれに適用されたルールに従って行う作業があります。
BtoB物流では納品先が設けた納品ルールやシステムに従って作業を行います。
一方、BtoC物流にもルールが設けられますが、納品物への請求書やチラシの同梱など、企業側が取り入れている顧客サービスに沿った作業が発生します。
物流運用の違い
BtoC物流では、商品が企業から消費者に直接届きます。
そのため、配送遅延や商品破損など物流に不手際があると、消費者から企業に直接クレームが行き、トラブルに発展することも。
そうなると、物流にかかわる業者は信頼を失う可能性があるため、BtoC物流においては運用面でより一層注意する必要があります。
EC市場規模の違い
ここ数年、スマートフォンの普及などにより、ECサイト(インターネット通販)の利用が増加し、EC市場の規模が拡大しています。
BtoBとBtoCではともにEC市場規模が拡大していますが、経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果」によると、令和3年の国内におけるBtoBのEC市場規模は372.7兆円(前年334.9兆円)、BtoCのEC市場規模は20.7兆円(前年19.3兆円)となっています。
このことから、ECサイトを活用した企業間取引が増加していることがわかります。
BtoB物流の今後の予測についても解説
EC市場拡大により、新たにECサイトを活用したBtoCに参入するBtoB企業や、自社で製造・企画した商品を自社サイトで直接消費者に向けて行うDtoCを行う企業が増加しています。
このことからも、今後はさらに「BtoB」や「BtoC」にとらわれることなく、多種多様なビジネスモデルが展開されることが予測できます。
そのためにも、物流では在庫管理など、さらなる適切な運用が求められます。
BtoB物流ならびにBtoC物流などさまざまな物流において、AIやloTなどのデジタルテクノロジーの活用や、物流のアウトソーシングなど、適切で効率的な物流を支えるためには欠くことができないでしょう。
物流業界全体の今後については、こちらのコラムもあわせてご覧ください。
物流業界の今後は?現状の動向と課題、将来性について詳しく解説!
BtoB物流とBtoC物流の特徴と市場規模を確認しよう
「BtoB」は「Business to Business(企業が企業に向けて行うビジネス)」、「BtoC」は「Business to Consumer(企業が消費者に向けて行うビジネス)」を指し、どちらもビジネスにおいてよく使われる言葉です。
BtoB物流には、「出荷数量が多い」「高積み可能な倉庫が必要」「ケースの外装に内容明細が記載されている」「納品先にあわせたルールの導入が必要」「高度な物流品質が求められる」といった特徴があります。
BtoC物流とは、出荷数量や受注件数、商品点数などさまざまな面で違いがありますが、近年はBtoBとBtoCのどちらにおいてもEC市場規模が拡大しています。
EC市場拡大により、今後はさらに「BtoB」や「BtoC」にとらわれることなく、多種多様なビジネスモデルが展開されることが予測できますね。
そのためにも、デジタルテクノロジーの活用や、物流のアウトソーシングなど、適切で効率的な物流を支えるシステムの適用が必要となるでしょう。
今後も進化を続ける物流業界は、暮らしを支えるうえでかかせない重要な仕事です。
ぜひ、物流業界への就職にチャレンジしてみてくださいね!
この記事を書いた人
中谷 充孝
キチナングループ株式会社 経営企画部 採用担当
2020年新卒入社。キチナングループ株式会社 経営企画部採用担当。入社は大阪にある倉庫事業部でしたが、2021年12月より経営企画部に異動し採用担当として活動中。カメラが趣味です。旅行や遊びの際は基本的にカメラ持ち歩いています!カメラサークルに入るか検討中。 なににおいても楽しむことが大事だと思っています!