こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの採用担当荒木です。
これから就職活動の時期を迎える方にとって資格取得は気になるところでしょう。
それが国家資格となればなおさらのことです。
今回は、ゼロから勉強を始める方でも比較的挑戦しやすい国家資格である「危険物取扱者」について解説します。
「どんな仕事だろうか」「資格をとるにはどうしたら良いのだろう」「どんな仕事に就けるのか」などが気になる方に向けて、詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
危険物取扱者とは?資格や試験科目をご紹介
危険物取扱者とは、火災や爆発の危険があると消防法で定められた「危険物」を取り扱う場合に必要な国家資格です。
例えば、ガソリンスタンドやタンクローリーを扱う施設などでは、危険物取扱者を置かなければなりません。
危険物取扱者は、消防法に基づき一般財団法人消防試験研究センターが試験を実施していて、年間30万人以上の方が受験する人気の資格となっています。
受験概要
危険物取扱者の資格には「甲種(こうしゅ)」「乙種(おつしゅ)」「丙種(へいしゅ)」の3つの区分があり、そのうち「乙種」は、取り扱いできる危険物の種類によって、さらに1類〜6類の6つの区分に分かれています。
いずれの区分でも3つの試験科目があり、すべての科目で60%以上の正解率が、合格基準となります。
3科目中、1科目でも60%以下になると不合格です。
合格率は例年、甲種および乙種4類で30%程度、4類以外の乙種で60~70%、丙種で50%程度となっています。
乙種4類は、受験者が圧倒的に多くレベルの差が大きいため、合格率が低いのではないかと言われています。
受験資格
危険物取扱者の受験資格は、乙種と丙種に関しては特に受験資格がありません。
甲種に関しては、以下の受験資格のうち、どれかひとつを満たしている必要があります。
- 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
- 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
- 乙種危険物取扱者免状を有する者(実務経験2年以上)
- 乙種危険物取扱者免状を有する者(第3類、第5類、第1類又は第6類、第2類又は第4類のうち、4種類以上、免状の交付を受けている者)
- 修士・博士の学位を授与された者で化学に関する学科等を専攻したもの
引用:危険物取扱者試験 受験資格|一般財団法人消防試験研究センター
試験科目
試験科目はすべての区分において、3科目あります。
すべての区分で、「危険物に関する法令」と「危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法」の2科目は共通です。
共通科目以外の1科目は、区分によって異なり、それぞれ以下の通りです。
- 甲種:物理学および化学
- 乙種:基礎的な物理学及び基礎的な化学
- 丙種:燃焼及び消火に関する基礎知識
科目が同じでも出題数は区分によって異なり、全出題数は、甲種で45問、乙種で35問、丙種で25問となっています。
試験科目の一部免除規定
乙種、または丙種を受験する場合、一定の条件を満たせば試験科目の一部免除が受けられます。
一部免除の詳細は以下の通りです。
- 乙種の危険物取扱者免状を持っている場合、他の乙種の試験を受ける時に、「基礎的な物理学及び基礎的な化学」以外の科目が全部免除され、合計出題数は10問となります。
- 「火薬類製造保安責任者」「火薬類取扱保安責任者」など、火薬類の免状を持っている場合、乙種の試験において「基礎的な物理学及び基礎的な化学」と「危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法」の科目で一部免除があります。
合計出題数は24問です。 - 乙種危険物取扱者ならびに火薬類の免状を持っている場合、「危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法」の一部免除とそれ以外の科目の全部免除が受けられます。
合計出題数は5問です。 - 5年以上消防団員として勤務し、消防学校の基礎教育または専科教育の警防課を修了している場合、「燃焼及び消火に関する基礎知識」の科目が全部免除となり、合計出題数は20問です。
危険物取扱者の資格取得後に就ける仕事や向いている人をチェック!
危険物取扱者の資格を持っていると、一定以上の危険物を取り扱う工場や施設で仕事ができます。
主なところではガソリンスタンドや石油コンビナート、化学工場や危険物運送業などが分かりやすいでしょう。
ここでは、職業の種類や危険物取扱者の資格に向いている人について詳しく解説します。
危険物取扱者はどんな職業についている?
危険物取扱者は、ガソリンや石油、火薬などの危険物を取り扱う職業に就いています。
主に以下のような職種があります。
- ガソリンスタンドや危険物倉庫など
- 危険物運送業など
- 化学工場や製薬工場などで働く技術者や作業員
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドで働く場合に、主に必要な危険物取扱者の資格は甲種、もしくは乙種4類です。
セルフサービスのガソリンスタンドで顧客が自分でガソリンや灯油を給油するためには、甲種か乙種4類の資格をもった危険物取扱者の立ち会いが必要となります。
危険物運送業
危険物の運送業として代表的なのがタンクローリーの運転手です。
ガソリンや石油を運ぶためのタンクローリーは、甲種または乙種の資格をもった危険物取扱者が運転手であるか、同乗している必要があります。
タンクローリーの運転手になる場合は、危険物取扱者以外に、けん引免許も必要です。
製造工場など
危険物取扱者の資格を持っていると、化学工場などへの就職も選択肢に入ります。
例えば、危険物とはあまり縁のなさそうな化粧品などでも、オイルやアルコールが使われている場合は危険物と見なされます。
他にも、製薬会社で試薬などに含まれる成分は危険物を含む場合があり、危険物取扱者の資格が必要です。
危険物運送など物流に関してさらに詳しく知りたい方は「物流業界の今後は?現状の動向と課題、将来性について詳しく解説!」でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
危険物取扱者の資格に向いている人とは
資格取得の勉強を始めるにあたっては、自分は向いているのか、と不安になることもあるでしょう。
危険物取扱者の資格は、次のような人に向いている資格といえます。
- 責任感が強い人
- 集中力がある人
- 冷静に対応出来る人
危険物取扱者の業務は、常に危険と隣り合わせであるともいえます。
危険物がある仕事の現場では、危険物の正しい知識と取り扱い方、そして周りへの配慮が必要不可欠です。
自身と同じ現場にいる人の、身の安全を責任もって守る意識と、最後まで油断しない集中力がある人に向いている資格です。
また、万が一の事故の際に、冷静に対応できる力も必要となるでしょう。
普段から、最悪の事態を考えて準備できる人が向いているといえます。
危険物取扱者の資格を取得するメリットとは?
危険物取扱者の資格を取得することで、次のようなメリットが生まれます。
- 就職や転職に有利になる
- 昇給や昇進につながる
- 将来性が高い
それぞれを詳しく見ていきましょう。
就職や転職に有利になる
危険物取扱者は国家資格のため信頼度が高く、就職や転職にあたっては強みになります。
ガソリンスタンド経営や専門的な製造工場などへの転職などを希望する場合にも、資格を持っていることで有利に働くケースも多いでしょう。
昇給や昇進につながる
危険物を取り扱う工場や施設では、必ず資格保有者をおかなければならないため、資格を持っている人は重宝されます。
関連する企業にとっては、転職・離職されないよう給与や待遇などで優遇するケースも多いです。
将来性が高い
近年、AIなどの技術進歩が加速している状況ですが、危険物を取り扱う仕事の管理や監督は人間以外には勤まらないといわれています。
作業的な部分は機械に置き換わることがあっても、現場の管理や監督は機械ではできないことです。
今後も資格取得者の重要性は変わらず、将来性が高いと見ることができるでしょう。
危険物取扱者とは危険物を扱う将来性のある国家資格のこと
今回は、危険物取扱者の資格について解説しました。
危険物取扱者は、危険物を取り扱う現場で必要となる国家資格です。
資格には「甲種」「乙種」「丙種」の3つの区分があり、「乙種」は危険物の種類によってさらに6つの分類に分けられます。
甲種は大学での専攻科目など受験資格を満たす必要がありますが、乙種、丙種に関しては、誰でも受験できる資格です。
資格を取得することで、ガソリンスタンドや製造業、危険物運送業など幅広い分野で活躍できます。
危険と隣り合わせではありますが、就職や転職に有利で、昇給や昇進にもつながりやすい資格です。
関連する分野での仕事に興味がある方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
荒木 花恋
キチナングループ株式会社 経営企画部
2022年新卒入社。吉南株式会社経営企画部採用担当。 入社後、大型ウイング車の配車を担当。2023年1月より経営企画部に異動、入社して10ヶ月で採用担当として活動中。温泉巡りが好きで山口はもちろん、九州の温泉を巡って癒されています。好きな言葉は、”人事を尽くして天命を待つ”。