こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの白石です。
ISO9001は、国際的な「品質マネジメント」の規格です。
しかし、どういう意味かよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回のコラムでは、ISO9001とは何か、簡単に解説します!
ISO9001の内容や目的、取得するメリットや方法などを分かりやすくしていきますのでぜひご覧ください。
ISO9001とは?簡単に解説!
ISO90001とは、国際的な「品質マネジメントシステム」の規格。
商品の品質が高いことはもちろん、高品質のサービスや商品を提供するための仕組みを構築・運用・管理していることの証となります。
ISOは国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)というスイスの非営利法人です。
今は世界中で商品やサービスを取引する時代。
国ごとに商品のサイズや評価の基準が異なっていると、安心して取引ができませんよね。
そこでISOは、商品やサービスの形状・寸法・材質・品質・性能・機能・安全性などに規格を設定し、この規格を合わせることで世界中でスムーズに取引ができるようにしたのです。
ISOが定めたこの国際規格は「ISO規格」、または単に「ISO」と呼ばれます。
さまざまな種類があるISO規格の中で、ISO9001は品質マネジメントシステムの規格です。
品質マネジメントとは、企業の提供する商品やサービスの品質向上・維持を管理するための仕組み(マネジメントシステム)を定めていることを指します。
また、ISO9001ではサービス品質として価格や納期などについても定めがあります。
商品やサービスの品質を管理する仕組みを構築・実行することで、結果的に品質の保持・向上がなされ、最終的には顧客満足度向上につながるのです。
ISO規格の種類
ISO規格には、製品や部品の具体的な寸法や形状などを定める「モノ規格」と、組織の活動を管理する仕組みについて定める「マネジメントシステム規格」などがあります。
なお、ISO9001はマネジメントシステム規格に該当します。
【モノ規格の例】
- ISO68:ネジの設計基準
- ISO7010:非常口のマーク
- ISO5800:フィルム感度
- ISO/IEC7810:クレジット・キャッシュカードのサイズ
【マネジメントシステム規格の例】
- ISO9001:品質マネジメントシステム規格
- ISO14001:環境マネジメントシステム規格
- ISO27001:情報セキュリティマネジメント規格
- ISO45001:労働安全衛生マネジメントシステム規格
ISO9001の規格要求事項とは
企業がISO9001を取得するには、ISOが求める規格要求事項を満たし、認定される必要があります。
規格要求事項は以下の10要素で構成され、それぞれについて検討・策定・文書化・実行が必要です。
①適用範囲
構築した品質マネジメントシステムを、自社の業務内でどこに・どこまで適用するのかを決定します。
②引用規格
利用または引用する規格を確認し、文書化します。
ISO9001で定める規格は時代とともに変更する可能性があるため、定期的にISOの情報をチェックする必要があります。
③用語および定義
使用する用語や定義について明確化します。
業界用語や社内用語については、誤解や誤認を防ぐためにも詳細に記載が必要です。
④組織の状況
内部環境・外部環境を分析し、組織の状況について詳しく理解し文書化します。
⑤リーダーシップ
リーダーに求められる役割や管理方法を策定、明文化、文書化します。
さらにリーダー自身が、ISO9001の方針や目標について説明できる状態にしておく必要があります。
⑥計画
目標達成のための計画を策定します。
また、計画にはリスクが発生したときの対応や、変更が生じた場合の対応なども含まれます。
⑦支援
品質マネジメントシステムを運用するための経営資源についての要求事項です。
「人的資源」「インフラストラクチャ」「プロセスの運用に関する環境」「監視および測定のための資源」「組織の知識」などが求められます。
⑧運用
「④組織の状況」「⑤リーダーシップ」で状況の整理をし、「⑥計画」で策定した計画を元に、運用を実行します。
品質マネジメントの実行状況を記録します。
⑨パフォーマンス評価
各プロセスの実行状況や結果、それによる顧客満足度などを測定・分析します。
⑩改善
「⑥計画」「⑧運用」「⑨パフォーマンス評価」を元に、品質管理マネジメントシステムの継続・改善に取り組みます。
改善の機会についても策定し、明記します。
キチナングループでは、ISO9001を認証取得し、高品質な輸送サービスを提供しています。
ISO9001を取得するメリット
ISO9001は、製品・サービスの品質維持・向上について、一定の管理体制プロセスが確立されていることを証明します。
そしてそれは、最終的な製品・サービスについても一定以上の品質レベルを保証することになり、顧客からの信頼を得ることができるでしょう。
ISO9001を取得すると、同様の理由で以下のようなメリットも考えられます。
- 顧客満足度向上
- ブランドイメージ向上
- 他社との差別化
- 品質の維持・向上
- 業務効率化
- 社員のモチベーションアップ
品質向上のための仕組みづくりは、業務効率化にもつながります。
人材不足と非効率業務が課題となっている物流の現場でも、今後さらに重要性が増す事でしょう。
現状の物流の仕組みや課題について、こちらのコラムでも詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。
ISO9001の取得方法
ISO9001を取得する流れをご紹介します。
- ①~⑩の規格要求事項のプロセスを実行する
- ISO審査機関の審査を受ける
・1次審査:書類などからマネジメントシステムの構築・運用の実態を確認
・2次審査:経営者などの対象者と面談して要求事項との適合性を確認
・不適合時:是正処置を行い、再審査を受ける
規格要求事項に適合し、ISO9001の仕組みが現場レベルでも機能していると認定されるとISO9001の認証取得となります。
取得申請時には、文書・記録・帳票の3種類の書類を提出します。
- 文書:マニュアルや業務手順、品質方針など、品質管理の仕組みを文書化したもの
- 記録:運用が計画どおり行われていることをあらわす記録
- 帳票:マネジメントマニュアルの内容に即した帳票類
なお、取得したISO9001認証を維持していくためには、毎年の維持審査と、3年ごとの更新審査(再認証審査)を受ける必要があります。
ISO9001とは簡単にいうと、企業における品質向上の仕組みの規格
ISO9001は国際的な品質マネジメントシステムの規格です。
ISO9001を取得した企業は、高品質な商品やサービスを提供するための体制を構築・運用・管理していることが認定されます。
ISO(国際標準化機構)は、商品やサービスの取引が世界中でスムーズに行えるよう、形状・寸法・材質・品質・性能・機能・安全性などの基準を設定しています。
ISO9001の規格要求事項は①適用範囲、②引用規格、③用語および定義、④組織の状況、⑤リーダーシップ、⑥計画、⑦支援、⑧運用、⑨パフォーマンス評価、⑩改善の10要素にわたり、それぞれの項目について検討・策定・文書化・実行が必要です。
ISO9001を取得することで、品質維持・向上のための管理体制が確立され、結果的に品質の保持・向上を達成、最終製品やサービスに対する信頼性や顧客満足度が高まります。
ISO9001の取得方法は、①~⑩の規格要求事項をプロセス化して実行し、ISO審査機関の審査を受け、認定を取得する流れです。
取得申請には文書・記録・帳票の3種類の書類提出が必要で、取得後も維持審査と3年ごとの更新審査が必要です。
この記事を書いた人
白石 重利
キチナングループ株式会社 生産事業部 課長
2021年中途入社。キチナングループ株式会社 生産事業部営業部。前職では大手人材企業で営業や人事にも関わっていました。プライベートでは家族との時間を大切にしています。子供がかわいすぎます。趣味はサッカーと大学時代にも夢中になっていたバンド活動。好きな言葉は「環境は自分で創る」。