こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの採用担当中谷です。
昨今、インターネットサービスや通販事業の拡大により、物流業界は市場規模をどんどん広げています。
しかし就職活動をしている学生さんの中には、こんな疑問を持っている方も多いと思います。
「物流業界の現状って?」
「物流業界の将来性は?どんな課題がある?」
そこで今回は、物流業界の動向と課題、将来性について詳しく解説します。
物流業界への就職を検討しているという学生さんは、ぜひ参考にしてくださいね!
物流業界の今後を予測する前に「現在の動向」をチェック!
物流業界の仕事の中で、私たち消費者にとって1番身近なのは荷物を届けてくれる「宅配員(ドライバー)」ではないでしょうか。
しかし物流業界には運搬以外にも多くのフェーズがあり、仕事内容も多岐に渡ります。
※物流業界の仕事内容については「物流業界の仕事内容を詳しく!必要なスキルやメリット・デメリットも解説」のコラムをご覧ください。
JISが定義した「物流」という言葉には、物資を供給者から需要者へ運ぶことはもちろん、時間的・空間的に移動する過程の活動という意味も含まれています。
また、物流業界は「調達物流」「生産物流」「販売物流」「回収物流」「消費者物流」の5つの領域に分かれていて、さらにこの領域にまたがるように多くの事業者が協力し合って成り立っている業界です。
ただ物を運ぶだけでなく、様々な技術や機能を活用しながら私たちの生活を支えてくれているのです。
そんな物流業界の市場規模や動向について、ご紹介します。
物流業界の市場規模と市場動向
物流業界の市場規模は約20兆円です。
市場調査会社である矢野経済研究所によると、2016年から2021年見込みまでの市場規模を分析すると、毎年上がり下がりはしているものの、年平均成長率は+0.5%程度。
2021年度の物流17業種総市場規模(売上高ベース)は前年度と比較して+7.7%となっています。
物流業界の市場規模は、確実に拡大していっているということになりますね。
新型コロナウイルス感染症の拡大やインターネットサービスの増加により通販市場が拡大
新型コロナウイルス感染症の拡大により、「おうち時間」や「自粛」という言葉をよく耳にするようになりました。
リモートワークやオンライン授業を導入する会社・学校も増え、自身や家族が家で過ごす時間が増えたという人も多いのではないでしょうか。
これにより通販サービスの需要は急速に拡大し、物流業界は大きく変化しました。
今まではスーパーやドラックストアで買っていた日用品をインターネットで購入する人が増え、個人宅への配達が拡大しています。
とはいえ、通販事業の拡大は感染症の拡大によるもののみではありません。
ここ数年でインターネットサービスの開発がどんどん増え、ハンドメイド商品の売買やフリマアプリの活用など、個人間でのやり取りが急速に増えています。
インターネットを利用することでどこにいても簡単に物のやりとりができる時代になり、物流業界に大きな影響を与えていると考えられるでしょう。
物流業界の主要プレイヤーは?
世の中には数多くの物流企業があり、事業内容もさまざまです。
今回はそんな物流企業の中でも、全体の8割以上を占める「トラック輸送事業」の主要プレイヤーを紹介します。
物流業界の主要プレイヤーを把握しておくことは、市場動向の理解や企業研究に役立ちますよ!
国内でトラック輸送事業を行う物流企業は60,000社を超えますが、2020年度は以下の主要プレーヤーのみで6割以上のシェア率を占めています。
- 1位:日本通運(16.1%)
- 2位:日本郵政(15.7%)
- 3位:ヤマトホールディングス(13.1%)
- 4位:SGホールディングス(10.2%)
- 5位:日立物流(5.0%)
※出典:国土交通省(2020年)物流を取り巻く動向について・業界動向SEARCH.COM(2021)運送・業界レポート
また、上位4社は宅配便取扱個数のシェア率でも上位に入っていて、物流業界における通販事業の重要さも伺えます。
物流業界の課題と今後の予測、将来性は?
私たち消費者が快適に生活を送るために欠かせない物流業界ですが、解決しなければならない課題も多くあります。
物流業界における課題と解決に向けての企業の取組事例、物流業界の将来性について解説します。
物流業界の大きな課題は「人材不足」
物流業界における大きな課題として、慢性的な人材不足が挙げられます。
前述したとおり、物流業界の市場規模は拡大していますが、ドライバーをはじめとする働き手は減少してしまっています。
また、人材不足による従業員一人あたりの負担の増加を問題視する企業も珍しくありません。
物流企業では、人材不足の解決、労働環境改善のための取り組みが数多く実施されています。
取組事例① 採用基準の見直しや労働環境の整備
物流業界で働く人を増やすための取り組みです。
これまで経験者の採用のみ行っていた企業でも、最近では自社内での育成を前提とした未経験採用を行うケースが増えています。
また、正社員だけでなくアルバイトや契約社員としての採用も取り入れるなど、従業員それぞれが働きたいように働ける環境を整える企業も少なくありません。
物流業界全体において、採用における取り組みはもっとも必要な対策といえるでしょう。
ただし、未経験人材や雇用形態の枠を広げても、そもそも「物流業界で働きたい」という応募者が集まらなければ意味がありません。
求人への応募を増やすために、労働環境や福利厚生を整える企業も増えてきています。
取組事例② 物流システムやロボットを活用した作業効率化
AI技術やロボットを活用した作業効率化は、人材を増やすための取り組みではなく、業務の効率化を目指すことで人手不足を補おうという取り組みです。
具体的には、下記のような取り組み例が挙げられます。
- 物流システムの導入
- データの活用
- 物流ロボットの導入
- トラックの自動運転
- 配送技術のあるドローンの導入
- AI技術の活用
物流システムや物流ロボットを導入すれば、今までは人が手で行っていた作業を任せることができ、大きな業務効率化が図れます。
トラックの自動運転やドローンによる配送が進めば、ドライバーの長時間労働の問題は改善に向かうでしょう。
実際に海外では実験や導入が進んでいるケースも多く、日本での今後の導入も期待されています。
改正物流総合効率化法案の可決も課題解決の手助けに
物流業界での課題を解決するため、2016年10月1日、「改正物流総合効率化法案」が可決されました。
改正物流総合効率化法案の内容は大きく分けて3つ。
- モーダルシフトの加速:トラックによる輸送を別の輸送方法(鉄道や船)に切り替えることを推進し、人手不足の解消を狙う
- 共同配送の取り組み:2社以上が連携して輸送や保管などの物流業務を行うことで、積載率の向上やCO2の削減を狙う
- 輸送網の集約:物流企業の配送網を集約し、効率的な配送を狙う
改正物流総合効率化法案の可決も、物流業界における課題解決の手助けとなるでしょう。
物流業界の今後
前述した通り、物流業界には「人材不足」による課題もまだまだ多く残っていますが、今はその課題解決のための取り組みが拡大している最中。
多くの企業で物流システムや物流ロボットの導入、トラックの自動運転やドローンの活用、さらにAI技術を活用した業務効率化が進んでいくでしょう。
法改正による取り組みも少しずつ加速しており、業界全体の効率化、働きやすさなど、今後どんどん進化を続けていくと考えられる業界です。
そして、物流業界は私たち生活者にとって欠かせない業界であり、今後なくなることは考えにくいインフラ的存在。
通販事業をはじめとするインターネットサービスは今後も拡大していくと考えられるため、それに伴い物流業界の市場も拡大していくでしょう。
物流業界は今後も拡大!将来性も見据えた就職活動を!
消費者の生活に欠かせない物流業界。
新型コロナウイルス感染症の拡大やインターネットサービスの普及による通販事業の拡大に伴って、物流業界全体の市場規模も拡大しています。
課題となっているのは人材不足。
しかし現在は人材不足を補う取り組みや業務効率化のための取り組みを行う物流企業が多く、今後も増えていくと予想できます。
改正物流総合効率化法案も可決され、今後ますます物流業界における課題解決の手助けとなるでしょう。
今後も伸びが予想される物流業界。
業務の効率化や働きやすさといった面も、どんどん進化を続けていくでしょう。
就職活動では、物流業界の現在の動向や企業の取り組みを理解し、将来性を見据えて業界研究を行なってみてくださいね!
この記事を書いた人
中谷 充孝
キチナングループ株式会社 経営企画部 採用担当
2020年新卒入社。キチナングループ株式会社 経営企画部採用担当。入社は大阪にある倉庫事業部でしたが、2021年12月より経営企画部に異動し採用担当として活動中。カメラが趣味です。旅行や遊びの際は基本的にカメラ持ち歩いています!カメラサークルに入るか検討中。 なににおいても楽しむことが大事だと思っています!