こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの三村です。
物流業界は、社会のライフラインとして欠かせない重要な役割を担っています。
しかし、物流業界では生産性の低迷が課題の一つとなっており、近年の人材不足や市場変化により生産性の向上が急務となっているのも事実です。
そこで今回のコラムでは、物流業界における生産性について解説。
物流業界で生産性が上がらない原因や、生産性を向上させるためのポイントについてお話しします。
物流業界における生産性とは
ビジネスにおける生産性とは、一般的に労働生産性のことを指します。
労働者1人あたり、または1時間あたりにどれだけの成果(利益)を生み出せたかを数値化したもので、これは物流業界においても同じです。
実は、日本は先進国の中で、特に労働生産性が低いといわれています。
公益財団法人日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較2023」によると、日本の時間あたり労働生産性は52.3ドルでOECD加盟38カ国中30位。
1人あたり労働生産性は85,329ドルでOECD加盟38カ国中31位という状況です。
労働生産性は業種によっても異なりますが、人手を必要とするサービス業が特に労働生産性が低いといわれ、物流業も同様と考えられます。
慢性的な人手不足が続く物流業界でも、金銭的・時間的余裕を持ち、利益向上や新事業展開などにつなげるために、生産性向上は必須、そして急務の問題といえるでしょう。
物流業界で生産性が上がらない原因
物流業界の生産性向上を妨げている主な原因として、以下のようなものが考えられます。
慢性的な人手不足
少子高齢化による労働人口減少や、仕事が忙しい・待遇が悪いといった物流業界のネガティブイメージにより、物流業界は慢性的な人手不足に陥っています。
2024年4月から施行開始となった時間外労働の上限規制により、トラックドライバーの人手不足も顕著です。
人手不足により忙しさが増し、それが労働環境を悪化させ、定着率低下により人手不足になるという悪循環が発生しています。
EC宅配需要の増加
インターネットショッピングの普及に伴い、個人向けの小口配送が急増しています。
これにより出荷作業や配送の手間が増加し、作業が煩雑化しているのです。
また、時間指定配達や再配達などが増加することで効率が低下し、これも生産性が上がらない原因の一つに。
物流トラックの長時間待機
倉庫で特定の時間帯に物流トラックが集中することで、長時間の荷待ち時間が発生してしまいます。
ドライバーはただ待つだけという、生産性のない待機時間が長時間に。
また、トラックが多いと倉庫作業の負担は増え、長時間労働にもつながってしまいます。
モチベーションが低下する単純作業
物流業務には、事務作業や荷物の移動など、単純作業の繰り返しが多く含まれます。
単純作業はスキルアップにはつながりにくく、作業者のモチベーションを低下させるため、作業効率の低下、さらには生産性の低下を引き起こす可能性があります。
単純作業が長時間労働につながると、定着率の低下にもつながってしまいます。
物流業界で生産性を上げるためのポイント
物流業界で生産性を上げるためには、現状を正確に把握し、適切な対策をとる必要があります。
生産性を上げるために取り組むべきポイントをご紹介します。
現状の生産性を把握する
生産性向上のためには、現状を正確に把握し、適切な対策をとる必要があります。
まずは、自社の生産性の現状を正確に把握することから始めましょう。
生産性を把握する指標として、「人時生産性(MH:man-hour)」という指標があります。
これは、従業員1人が1時間あたりにどれだけの粗利益を生み出すか、または1時間当たりにどれだけの作業をこなせるかを表す指標です。
例えば、1人が1時間あたりに100個の荷物を処理できる状態は、100/MHとなります。
MHを使って現状を把握することで、問題点の可視化や改善目標の設定、改善効果の測定が可能になります。
物流倉庫内のレイアウトを改善する
物流倉庫内のレイアウトを改善することも効果的です。
例えば、出荷頻度の高い荷物を入口近くに配置する、荷物の定位置を決めるなどの改善で、作業効率を向上できるでしょう。
このような改善で、作業時間の短縮や作業ミスの減少をさせ、生産性向上が期待できます。
作業の標準化や人材教育を行う
従業員教育を充実させたり作業マニュアルを整備したりすることで、業務の標準化を図ることができます。
担当者が変わっても同じ精度で作業を進められるようにすることで、全体的な生産性の向上につながります。
倉庫管理システムを導入する
物流業界はアナログ作業が多く、これが生産性向上を妨げている原因の一つ。
システムを導入して、自動化や省人化を図りましょう。
倉庫管理システムを導入することで、入出庫や保管、ピッキングなどの工程を一元管理できるようになります。
アナログ業務の効率化、ヒューマンエラーの減少によるミス対応時間の削減など、生産性向上を目指せます。
ヒューマンエラーが減ることで、品質向上にも。
また、システムだけでなく物流専門業者によるアウトソーシングサービスを活用するのも方法の一つです。
専門業者のノウハウや設備を活用することで、自社の生産性を大幅に向上させることができるのです。
物流改善の考え方や具体的な改善事例を詳しく解説したコラムもあります。
あわせてぜひご覧ください。
キチナングループの生産性が上がった事例
キチナングループでは、お客様の在庫商品をリアルタイムで管理しています!
今までの課題
今までお客様は、毎月末に在庫数をチェックしていましたが、在庫数を数えるのに時間がかかっていました。
課題解決
キチナングループが参入することで、在庫数をスプレッドシートでリアルタイムで共有しています。
またSlackでお客様と連絡することも増えてきました。
チャンネルのメッセージなら、誰もが最新状況や情報を確認・共有することができます。
お客様からの声
お客様から「今まで手間がかかっていた部分が解決されたので、ありがたいです!」と嬉しいお言葉をいただきました。
物流業界の生産性向上は必須!現状の把握と適切な対策を
物流業界では、慢性的な人手不足やEC宅配需要の増加、物流トラックの長時間待機、単純作業によるモチベーション低下などを原因とする生産性の低迷が課題となっています。
しかし、利益向上や新事業展開のためにも、物流業界の生産性向上は必須といえます。
物流業界の生産性を上げるためには、現状を正しく把握し、適切な対策をとる必要があります。
MH指標を使った生産性の把握や、倉庫内レイアウトの改善、作業の標準化、倉庫管理システムの導入などに取り組みましょう。
また、専門業者へのアウトソーシングも生産性向上の選択肢の一つです。
キチナングループでは、物流アウトソーシングサービスを提供しています。
物流のプロがお客さまの状況をヒアリングしてニーズに対応する最適な物流アウトソーシングのご提案をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
三村 和弘
キチナンロジスティクス株式会社 営業部 課長
2021年中途入社。キチナンロジスティクス株式会社営業部。趣味はゴルフと磯釣りで、休日は妻とゴルフの練習に行ったり、職場仲間と打ちにいくこともしばしば。特技は早起きです。好きな言葉は「誠心誠意」。