こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの末次です。

荷役作業は、物流現場でなくてはならない業務。

しかし、荷役作業は、労働災害の発生リスクが高い作業でもあります。

そこで今回は、荷役作業での労働災害防止に向けて、企業が取り組むべき安全対策を解説します。

荷役作業の基本から実践的な安全対策まで、現場で活用できる取り組みをご紹介していきます。

荷役作業とは

荷役(にやく)作業とは、物流の現場で行われる荷物の積み降ろしや移動に関わる作業です。

具体的には、倉庫内での荷物の移動、トラックやコンテナへの荷物の積み込みや荷降ろし、荷台での固定やシート掛けなど、物を運ぶために必要なさまざまな作業が該当します。

作業員が手作業で荷物を運んだり台車を使って移動したりする作業は「人力荷役」、そして、フォークリフトやクレーンなどの機械を使用する「機械荷役」とも呼ばれます。

機械荷役では機械の操作に加え、誘導や指示出しの作業も、荷役作業に含まれます。

荷役作業では労働災害が起きやすい

荷役作業は重労働であると同時に、事故が起こりやすいことも課題の一つです。

近年、労働災害自体は減少傾向にあるものの、その中で陸運業の労働災害が占める割合は増加傾向。

特に、荷役作業中の事故は毎年1万件近く発生し、陸運業の労働災害の中でも65%を占めるといわれています。

厚生労働省「令和5年労働災害発生状況の分析等」によると、陸上貨物運送事業の労働災害発生状況データでは、陸上貨物運送事業の労働災害による死傷者数は16,335人。

死傷年千人率(※)は8.959で、全産業の2.359と比較して、約3.8倍となっています。

※死傷年千人率とは、1年間の労働者1,000人当たりに発生した死傷者数の割合のこと

荷役作業における安全対策・注意点

荷役作業

荷役作業での安全を確保するためには、作業現場での適切な安全対策の実施が不可欠です。

それぞれの対策について、具体的に見ていきましょう。

作業開始前の基本的な準備

作業内容に適した保護帽や安全靴の着用は、作業員の安全を守るための基本中の基本です。

また、運送の都度、配達の前後でどのような荷役作業が必要となるかを確認します。

作業前の安全確認を習慣化することで、多くの事故を未然に防ぐことができます。

作業環境の整備と管理

安全な荷役作業には、適切な作業環境の整備が欠かせません。

十分な作業スペースの確保や適切な照明の設置、床面の段差解消など、作業の安全性を高めるための環境づくりが重要です。

墜落・転落を防止する安全対策

荷役作業における労働災害の中で、最も多いのが墜落・転落事故です。

このような事故を防ぐためには、作業場所の高所に手すりや安全柵を設置する、高所での作業時には安全帯を使用する、昇降設備は定期的に点検・整備をするなどの対策が重要です。

また、積み荷の上で作業を行うことは非常に危険です。

できる限り地上から作業を行うか、作業床や専用の足場を使用するようにしましょう。

機械荷役における安全確保

フォークリフトなどの荷役機械を使用する際は、正しい操作と定期的なメンテナンスが不可欠です。

資格を持った作業員による作業実施はもちろんのこと、始業前の点検や定期的整備、使用における安全教育の実施も欠かせません。

機械の状態を常に最適に保ち、操作する作業員の技能を高めることで、安全な作業環境を維持しましょう。

腰痛予防と作業負担の軽減

荷役作業では、重量物の運搬や腰やひざの曲げ伸ばしなどを伴うため、腰痛につながりやすいです。

適切な作業姿勢を維持できるよう作業台の高さを調整したり、補助器具を活用したりして、身体的負担を減らし、腰痛予防に務めましょう。

また、適切な休憩を取り入れることも大切です。

作業員の健康を守ることは、生産性の向上にもつながります。

荷役作業や物流現場での安全対策について、さらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムもあわせてご覧ください。

実際の現場での事例を知ることで、より実践的な安全対策を講じることができるでしょう。

荷主の安全配慮義務とは?背景や荷主の責任・配慮すべき内容を紹介

物流業界のヒヤリハット事例を紹介!減らすための対策も知ろう

キチナングループの荷役作業における安全対策事例を紹介!

キチナングループでは、荷役作業の効率化と安全性向上のため、以下の対策を実施しています。

【課題】作業効率と安全性の両立

繁忙期に1日100以上のトラックが入出庫する物流センターにて、荷役作業の遅延が発生。

安全と効率の両立が課題でした。

【解決策】デジタル管理と作業環境改善の統合アプローチ

作業スケジュールを可視化し、トラックの到着時間を平準化。

さらに、危険予知トレーニングを実施し、作業員の負担軽減と安全意識の向上を図っています。

【成果】安全性向上と生産性アップの両立を実現

対策の結果、1台あたりの作業時間も短縮されました。

トラック待機時間の短縮により、取引先からの評価も向上。

現在、この取り組みを他の物流センターにも展開しています。

キチナングループでは、お客様の現場に寄り添った提案とサポートで、多くの企業様の業務改善をお手伝いしています。

荷役作業をはじめ、物流に関して課題やお悩みをお持ちのお客様は、ぜひ一度ご相談ください。

一緒に最適な解決策を見つけていきましょう!

荷役作業は安全対策で労働災害を防ごう

荷役作業とは、物流における荷物の積み降ろしや移動に関わる作業です。

重量物の取り扱い、高所や不安定な場所での作業、長時間労働などから、労働災害が起こりやすい作業でもあります。

荷役作業を安全に行うには、企業主導の安全対策が重要です。

作業開始前の準備や作業環境の整備、墜落や転落を防ぐための対策、機械や設備の定期メンテナンスなどを実施できているか確認しましょう。

安全な荷役作業を実現し作業員の安全や作業負担を軽減することは、作業効率の向上にもつながります。

キチナングループでは物流アウトソーシングサービスを提供しています。

貨物輸送から出荷代行まで、事業成長を支える物流ソリューションを全国ネットワークで提供。

人材提供やメンテナンス計画、調達計画など、ニーズに応じたトータルロジスティクスサービスを提案しています。

ぜひご相談ください。

この記事を書いた人

末次 正人

キチナンロジスティクス株式会社 営業部 部長

1996年新卒入社。キチナンロジスティクス株式会社 営業部。入社してからは茨城県や大阪府など様々な場所で配車や営業を経験。プライベートでは家族との時間を大切にしています。趣味はゴルフと食べ歩き。好きな言葉は「感謝」。