
燃料サーチャージ制度とは?
燃料サーチャージ制度とは、燃料価格の上昇・下落によるコストの運送コストの増減を、別建ての運賃として設定する制度です。 正式名称は「燃油特別付加運賃」といいます。 政治情勢不安などを背景に燃料価格が高騰すると、トラック運送業界で運送コストも激増します。 軽油価格が1リットル1円上場すると、トラック産業では約160億円のコストアップが発生するといわれるほど。 しかし、トラック運送業は荷主との価格交渉力が弱く、燃料費高騰分を運賃に転嫁するのが難しい状況でした。 そこで、標準的な運賃とは別建てのコストとして運賃にプラスできるよう、燃料サーチャージの導入が進められました。 適正な運賃収受を支援することで取引の適正化を図り、運送業者のコスト増を抑えるのが目的です。 標準的な運賃として軽油の基準価格を定め、燃料価格が基準価格を上回ると燃料サーチャージが適用されます。 なお、トラック運送における燃料サーチャージでは、燃料価格が基準価格を下回った場合には、燃料サーチャージは適用されません。トラック運送の燃料サーチャージの計算方法
トラック運送の燃料サーチャージの計算方法には、トラックの移動距離で燃料サーチャージを計算する「距離性運賃」と、トラックを1日または半日をチャーターするなどに適している「時間制運賃」の2つがあります。 【距離制運賃】 走行距離(㎞) ÷ 燃費(㎞/L) × 算出上の燃料価格上昇額(円/L) 【時間制運賃】 平均走行距離(㎞) ÷ 燃費(㎞/L)× 算出上の燃料価格上昇額(円/L) 現在の軽油の基準価格は100円/L、単価100~105円で算出上の上昇額は2.5円、それ以上の価格上昇は単価5円アップごとに算出上の上昇額は5円ずつ上昇します。 ※令和5(2023)年3月1日時点 以下の条件で燃料サーチャージ額を、距離制運賃の方法で計算してみましょう。- 走行距離:1,000km
- 燃費:3km/L
- 燃料価格上昇額:15円(単価115円の場合)
- 算出上の燃料価格上昇額:12.5円
トラックの燃料サーチャージの普及には荷主様の理解が必要

トラック運送の燃料サーチャージ制度とその重要性を知ろう
燃料サーチャージとは、燃料価格の上昇によるコストアップを別建ての運賃として設定する制度です。 燃料費高騰による運送会社のコストアップを抑えるのが目的です。 標準的な運賃として軽油の基準価格を決め、燃料費がそれを上回ると燃油サーチャージが適用されます。 燃料サーチャージ額の計算式は、「走行距離(または平均走行距離) ÷ 燃費 × 算出上の燃料価格上昇額」です。 現在、軽油の基準価格は1リットルあたり100円で、燃料費が100~105円の場合の算出上の燃料価格上昇額は2.5円、それ以降の上昇は燃料費5円上昇ごとに算出上の燃料価格上昇額も5円アップとなります。 ※令和5(2023)年3月1日時点 トラック運送の燃料サーチャージは荷主側の負担になることから、現時点であまり普及が進んでいません。 適正運賃による適正取引を進めるためにも、企業間でコミュニケーションを取りながら理解を深めていく必要があります。 キチナングループでは、物流アウトソーシングサービスを提供しています。 荷物の特性と要望に合わせて物流業務の最適化を提案しますので、お悩みの際はお気軽にご相談くださいね。この記事を書いた人

三村 和弘
キチナンロジスティクス株式会社 営業部 課長
2021年中途入社。キチナンロジスティクス株式会社営業部。趣味はゴルフと磯釣りで、休日は妻とゴルフの練習に行ったり、職場仲間と打ちにいくこともしばしば。特技は早起きです。好きな言葉は「誠心誠意」。