こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの末次です。
物流における出荷作業は、お客さまへ商品を届けるための大切なプロセスです。
正確かつスピーディーな商品の出荷は顧客満足度にも直結します。
今回のコラムでは、倉庫の出荷における基本的な業務フローをご紹介。
また、出荷業務でよくある課題とその解決策まで解説します。
倉庫での出荷業務とは
倉庫での出荷業務とは、顧客の注文を受けてから、商品を発送するまでの倉庫内での一連の作業を指します。
具体的には、出荷指示の確認、商品のピッキング、検品、梱包、そして発送までの工程が含まれます。
倉庫での出荷業務は、商品をお客さまの元へ素早く、正確に届けるための重要なポイント。
しかし、複数の作業が連携しながら進むため、商品や数の取り違え、誤発送、遅延などのミスが発生しやすい業務でもあります。
万が一、出荷業務でミスがあると、顧客満足度が低下し、顧客からの信頼を失ってしまうことも。
また、出荷業務でのミスやそれによるトラブルの対応に時間を取られることで、本来業務にあてるはずの時間やコストを取られ、機会損失につながってしまう可能性もあります。
倉庫での出荷業務の業務フロー
出荷業務は複数の工程がある業務です。
各工程での正確な作業と、工程間のスムーズな連携が重要となります。
出荷時の基本的な業務フローをご紹介します。
①出荷指示
顧客からの注文にもとづいて出荷指示書を発行します。
出荷指示書には商品の品番、数量、配送先など、出荷に必要な情報が詳細に記載され、これにもとづいて出荷作業が進められていきます。
②ピッキング
出荷指示に従って、倉庫内の保管場所から必要な商品を取り出します。
商品の大きさや重さ、保管方法、保管場所などによって、フォークリフトや台車などを使用することもあります。
ピッキングの主な方式には、摘み取り式(オーダーピッキング)と種まき式(トータルピッキング)の2つがあります。
摘み取り式(オーダーピッキング)
1件の注文ごとに商品を集めてくる方式です。
1注文ごとに考えると素早く対応できるのがメリットですが、注文件数が多い場合はピッキング回数が増えて作業が非効率になりやすいです。
種まき式(トータルピッキング)
複数の注文をまとめて管理し、受注した商品ごとに集めてくる方式です。
同じ商品の出荷が多い場合にはピッキング回数が減るため効率的ですが、集めた商品を注文ごとに仕分ける作業が必要となります。
商品の特性や受注内容に応じて、2つの方式を組み合わせたり使い分けたりしている倉庫も多いです。
③検品
ピッキングして揃えた商品が、出荷指示と合っているかを確認します。
主な検品方法としては、バーコード検品とリスト検品の2つがあります。
バーコード検品
ハンディーターミナルでバーコードを読み込み、出荷指示と照合します。
正確でスピーディーな照合が可能で、大量の商品を扱う場合に適しています。
リスト検品
出荷指示と商品を目視し、人の目で確認する方法。
バーコードのない商品や、少量出荷の場合には効率的に検品が行えます。
ヒューマンエラーの可能性があることに注意が必要です。
なお、商品の種類によって確認すべき項目は異なります。
数と発送先のほかには、主に以下のような内容をチェックしています。
- 食料品:賞味期限や商品の状態など
- 衣料品:破損や汚れの有無など
- 製造業:品質基準など
- 物流業:保管状況など
④梱包
出荷商品を揃えたら、適切な箱や袋に入れ、必要に応じて透明なフィルムで覆ったり、ギフト用に包装したりします。
配送中に破損しないよう、緩衝材を入れたり、固定したりすることも重要です。
梱包状態はお客さまの目に直接触れるもので、適切な梱包がされていないとクレームにつながってしまうこともあります。
⑤発送
送り状を貼り付けてトラックへ積み込み、配送業者へ引き渡します。
倉庫での出荷業務の最終工程です。
倉庫の出荷管理でよくある課題と対策
商品をお客さまへ素早く届けるには、正確かつスピーディーな出荷が必要。
そのためには、適切な出荷管理が重要です。
倉庫での出荷業務をスムーズに進めるためにも、出荷管理でよくみられる課題とその対策について知っておきましょう。
【課題1】在庫状況を正しく把握できない
在庫は入出荷により常に変動するため、リアルタイムでの把握が難しいという課題があります。
また、入力ミスやカウントミスなどによる在庫数の不一致も発生する可能性があり、これらは欠品や過剰在庫のリスクにつながってしまいます。
この課題への対策としては、倉庫管理システムの導入が効果的です。
システムを活用して在庫管理をすることで、リアルタイムでの在庫管理が可能となり、人的ミスも削減し、正確性が向上します。
在庫データを分析することで、仕入れ計画も立てやすくなるでしょう。
【課題2】適切な業務フローやルールが確立されていない
倉庫内での業務フローやルールの標準化が不十分なケースがあります。
これにより、作業が非効率になる、ミスが発生しやすくなるほか、業務の属人化が進んでしまう可能性も。
業務が属人化すると、スタッフの異動や退職などで業務効率が大幅に下がってしまいます。
この課題への対策では、業務の標準化とマニュアルの整備が重要です。
業務フローを可視化し、明確なマニュアルを作成・共有することで、誰が担当しても同じ品質・効率で業務を進められるようになります。
出荷業務の課題と効率化について、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。
出荷業務を効率化!起こりやすい問題や効率アップの方法をご紹介
出荷時の業務フローや管理を改善し、物流品質の向上を目指そう
出荷業務は、商品を正確・迅速にお客さまの元へ届けるための重要な業務です。
業務フローでは、出荷指示、ピッキング、検品、梱包、発送と、複数の工程が連携しています。
出荷業務にミスがあると、顧客満足度が低下し、お客さまの信頼を失ってしまう可能性があります。
各工程を連携しながら正確で効率的に進めるためには、適切な出荷管理が欠かせません。
管理システムの導入による正確な在庫把握、業務フローの標準化による正確性・効率のアップなどに取り組み、顧客満足度アップを目指しましょう。
キチナングループでは倉庫保管サービスを提供しています。
お客さまのニーズに合わせてさまざまな荷物の保管が可能で、倉庫内での保管はもちろん、入庫から配送、輸送まで対応。
効率的な物流設計によるワンストップサービスを提供していますので、ぜひ一度ご相談ください。
この記事を書いた人
末次 正人
キチナンロジスティクス株式会社 営業部 部長
1996年新卒入社。キチナンロジスティクス株式会社 営業部。入社してからは茨城県や大阪府など様々な場所で配車や営業を経験。プライベートでは家族との時間を大切にしています。趣味はゴルフと食べ歩き。好きな言葉は「感謝」。