こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの末次です。
私たちの生活に、荷物の配送は欠かせません。
日々何気なく利用している配送ですが、皆さんはこの配送の仕方にいくつかの種類があることをご存知でしょうか。
運ぶ荷物の大きさや形、量、配送先などによって、利用される配送方法は異なります。
そのうちのひとつが、「路線便」です。
さまざまな会社からの荷物を1つの配送車に積み、各地の拠点を繋ぎながらお客様の元へ輸送する配送方法で、小口の荷物発送によく利用されています。
今回はこの路線便について、その概要やメリット・デメリットなど詳しく解説していきたいと思います。
路線便には、メリットとともに知っておきたいデメリットもあります。
また、他の配送方法である軽貨物運送やチャーター便についても知っておけば、適切な配送方法を選択しやすくなるでしょう。
ここからは路線便のメリット・デメリット、軽貨物運送やチャーター便との違いについてご説明します。

「路線便とは?」を解決!どんなケースで利用する?
まずは、路線便とはどんな配送方法なのか、どんなケースで利用され、どんな仕組みになっているのかという疑問を解決していきます。路線便の定義は?
路線便とは、配送車が決まった配送ルートおよび拠点を経由していく配送方法のことです。 配送車はルート上の拠点へと荷物を運び、拠点ごとに同一方面の荷物を積み変えながら、届け先の最寄り拠点まで荷物を輸送します。 路線便は、1つの企業だけでなく、複数の会社からの荷物を混載して運ぶのも特徴です。 相乗りのようなイメージを持つと、わかりやすいですね。 そのため、路線便は「混載便」「積み合わせ便」などとも呼ばれます。路線便が利用されるケースは?
路線便は、どのような場合に利用されるのでしょうか。 路線便が利用される主なケースを見てみましょう。 ・小口の荷物を割安で運びたい時 ・即配ではない荷物を運びたい時 ・普通の配送方法では対応できない重さや形の荷物を運ぶ時 ・配送会社の配送範囲外の地域に荷物を運ぶ時 小口の荷物を運びたいだけなのに、トラックをチャーターしてしまうと、配送費はかさみます。 複数の依頼者の荷物を混載して運ぶ路線便を利用すれば、小口の荷物をその荷物分だけの料金で運ぶことが可能です。 また、路線便は通常配送では難しい重さや形の荷物の配送に利用されることが多く、幅広い地域への配送にも対応します。 ただし、路線便の配送にはある程度の時間を要するため、即配などの突発的でスピーディーな対応は難しいことがほとんど。 そのため、定期的に決まった店舗や企業へ荷物を届ける定期便などによく用いられています。路線便の仕組みは拠点間を繋ぐリレー形式
次に、路線便の仕組みについてご説明します。 前述の通り、路線便は決まったルートで拠点を繋いでいく配送方法。 簡単に説明すると、以下のような流れで荷物を配達していきます。◆路線便の配送流れの例
- 【最初の集荷拠点】:トラックAに同一方面の荷物を積み込む
- トラックAは次の【拠点a】へ移動
- 【拠点a】:トラックAの荷物+【拠点a】で集荷した荷物の中から、同一方面の荷物をトラックBに積み替え
- トラックBは次の【拠点b】へ
- 【拠点b】:トラックBの荷物+【拠点b】で集荷した荷物の中から、同一方面の荷物をトラックCに積み替え
- トラックCは【配送場所最寄り拠点c】へ
- 【配送場所最寄り拠点c】:トラックCの荷物を降ろす(この荷物はさらに地域ごとに細分化され、顧客先へと運ばれていく)
路線便のメリットデメリットは?軽貨物運送やチャーター便との違いとは

路線便のメリット
路線便による配送には、以下のようなメリットが期待できます。メリット1:全国全地域への配送が可能
路線便では、全国全地域へ荷物を配送することができます。 依頼した運送会社が対応していない地域への配送であっても、他の運送会社と提携し、拠点をリレーしていくことで全地域への配送を可能にしています。 全国どこにでも荷物を送れるというのは、路線便の大きなメリットです。メリット2:コストが安くなる
路線便の利用は、配送コストが安くなることが大きなメリット。 通常、小口の配送に対して配送先に直行するトラックをチャーターしてしまうと、配送費は割高になってしまいます。 しかし、拠点を回りながら複数の会社の荷物を混載して運ぶ路線便なら、トラックを1台丸ごとチャーターする必要はなく、費用は荷物の量に見合った価格で済みます。 ちなみに、路線便費用は荷物の重量か容積どちらかを元に算出されます。路線便のデメリット
路線便には、以下のようなデメリットもあります。デメリット1:配送に時間がかかる
路線便は、配送先に直行する配送方法ではありません。 各拠点を回って荷物を輸送していくため、配達にはある程度の時間がかかります。 スピーディーな対応ができない点は、デメリットと言えるでしょう。デメリット2:大口輸送だとコストが嵩む
路線便は、大口輸送には向きません。 小口輸送に路線便を使う場合は割安になることが多いですが、大口輸送の場合は路線便を利用することで、逆にコストが高くつく可能性があります。 一般的に大口輸送の場合は、チャーター便を利用した方がコストは安くなるでしょう。デメリット3:輸送トラブルが起こりやすい
他の会社の荷物と混載で、荷物の積み替えが多い路線便には、輸送トラブルが起こりやすいというデメリットもあります。 積み替え時に荷物が損傷してしまったり、他の会社の荷物と混ざってしまったりする可能性があるためです。 時には、同時に発送した荷物が別々のタイミングで届くことも。 トラブルリスクについては、路線便利用時に知っておく必要があります。デメリット4:臨機応変な対応が難しい
路線便では、他の配送方法に比べ、臨機応変な対応が難しい傾向にあります。 例えば、多くの場合、日にちや時間などの配達指定サービスはできません。 また、その日の荷物の量に合わせて契約トラックの台数を調整することも難しく、無駄なコストが発生する恐れもあります。軽貨物運送やチャーター便も検討!
荷物を効率的に輸送するには、路線便だけでなく、軽貨物運送やチャーター便も検討する必要があります。 ここでは、軽貨物運送とチャーター便について説明していきましょう。軽貨物運送とは
軽貨物運送とは、軽貨物と呼ばれる貨物運搬用の軽自動車を用いた配送方法のこと。 主に個人事業主の方が運営しているため、利用する車両数やタイミングなど、場合によっては他の配送方法よりも柔軟に対応してもらえる可能性があります。 軽貨物運送の利用は、以下のようなケースにおすすめです。 ◆軽貨物運送を利用した方が良いケース- 急ぎの配送物がある場合
- 荷物量の変動が大きい場合
チャーター便とは
チャーター便とは、ひとつの会社でトラックを1台丸ごと貸し切る形での配送方法。 コストはかかりますが、他の会社の荷物を混載したり積み替えを行う必要がないので、効率的で安全に荷物を配達できます。 また、配達指定サービスや事業所での引き取りなど、顧客ニーズに応じた対応も可能です。 チャーター便の利用は、以下のようなケースにおすすめです。 ◆チャーター便を利用した方が良いケース- 大口配送の場合
- 配達指定サービスを利用したい場合
- 壊れやすい荷物を配送する場合
路線便はメリットとデメリットを踏まえた活用を!
決まったルートや拠点を経由する路線便は、うまく活用することで、より幅広いニーズを叶えることができる配送方法です。 小口荷物の低コストでの発送や地域の運送会社しかカバーしていない地域への荷物の発送も、路線便を検討すれば可能になります。 ただし、配送に時間がかかる、トラブルが起こりやすいなどのデメリットについても、理解しておくようにしましょう。 また、荷物の特徴やニーズによって、配送方法を使い分けることも大切です。 路線便や軽貨物運送、チャーター便など、配送方法を使い分ければ、コストや効率の面でより有利に荷物の配送を行えます。 配送方法は、各方法のメリットとデメリットをよく知ったうえで、自社のニーズと比較して選びたいですね。この記事を書いた人

末次 正人
キチナンロジスティクス株式会社 営業部 部長
1996年新卒入社。キチナンロジスティクス株式会社 営業部。入社してからは茨城県や大阪府など様々な場所で配車や営業を経験。プライベートでは家族との時間を大切にしています。趣味はゴルフと食べ歩き。好きな言葉は「感謝」。