こんにちは！西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの岡です。
物流業務の中でも、配車・配送管理は手間がかかる大変な業務。
それをシステムで効率化するのがTMS（輸配送管理システム）です。
今回のコラムは、このTMSとはどんなシステムかを解説。
TMSが備えている主要機能や導入するメリット・デメリット、自社に合ったTMSを選ぶポイントなどを詳しくお伝えします。
TMSの導入を検討している方はぜひご覧ください。
TMS（輸配送管理システム）とは
TMS（輸配送管理システム）とは、トラックの配車や配送ルート、配送進捗などを管理する物流システムです。
商品が出荷してから納品先に届くまでのプロセスを管理します。
「Transport Management System」の頭文字をとってTMSと表記されます。
「荷物をトラックに割り当てる」「最適な配送ルートを割り出す」「車両や荷物の状況をリアルタイムでトラッキングする」といったことで、輸配送業務の効率化と最適化を目指します。
物流業務の効率化のために、欠かすことのできないシステムです。
TMS（輸配送管理システム）の主要機能
TMS（輸配送管理システム）の主要機能は、配車・配送計画管理機能と配送進捗管理機能の2つです。
配車・配送計画管理機能
荷物をトラックに割り当てる配車業務、条件に応じた最適な配送ルートを作成する配送計画を自動で行います。
サイズ・重量・管理温度など条件が多様な荷物を、納品場所・時間帯・待機時間・納品方法などのさまざまな条件を組み合わせながら車両に割り当て、それぞれの最適な配送ルートを作成します。
配送進捗管理機能
スマートフォンや車載器、GPSなどを活用し、ドライバーの位置情報や運行状態を常時モニタリング。
現在地や配送の進捗のほか、運転中や休憩中といった運行状態まで把握可能です。
荷物の配送状況をリアルタイムで管理でき、顧客からの問い合わせやトラブルなどにも瞬時に対応できます。
デジタルタコグラフやドライブレコーダーと連携することで、燃費や安全運転などの詳細な運行データの収集も実現します。
そのほか、走行データをもとにドライバーの日報を自動作成したり、燃料費や運賃を自動計算して請求・入金管理したりする機能などが備わっているものもあります。
TMS（輸配送管理システム）のメリット・デメリット
TMS（輸配送管理システム）を導入するメリットとデメリットをそれぞれ確認しましょう。
メリット①物流コストが削減できる
精度の高い配車計画で、積載率向上、効率的な配送ルートが実現でき、燃料費や人件費の大幅な削減が可能になります。
配送業務の効率化は、ドライバー不足の解消やCO2排出量の削減にも貢献します。
メリット②業務品質が向上する
リアルタイムで配送状況を把握できるので、顧客からの問い合わせにすぐに応答でき、トラブルへの迅速な対応も可能になります。
業務品質が向上することで顧客満足度の向上にもつながります。
メリット③業務が標準化する
データをもとにしたシステム運用により、スタッフの能力に関わらず、一定の高品質なサービスを提供できるようになります。
配車や配送計画は経験が必要な業務で、属人化しやすい側面を持ちます。
しかし、TMSを活用することで、担当者の能力や経験に頼らずとも、配車・配送管理の精度を高めることができます。
デメリット①導入コスト・運用コストがかかる
システムの導入やIT設備を整える導入コスト、メンテナンスなどの運用コストが発生します。
特に、自社のサービスや業務に合わせた仕様にシステムをカスタマイズする場合は、開発費なども高額になる可能性があります。
導入コスト・ランニングコストに見合った成果が出るかどうかを試算して検討する必要があるでしょう。
デメリット②社内に浸透するのに時間がかかる
新しいシステムと業務フローが社内に浸透するには時間がかかります。
円滑な移行のためには、十分な移行期間と研修を設け、段階的に導入を進めていきましょう。
TMS（輸配送管理システム）の選び方のポイント
TMS（輸配送管理システム）は製品ごとにさまざまな種類があり、どの製品を選ぶべきか迷ってしまうこともあるでしょう。
自社に合ったTMSを選ぶために、押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
運用形態
TMSの運用形態は、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の2種類があります。
クラウド型は、オンラインサーバーにアクセスして使用する形態。
自社でサーバーを管理しないので手間やコストを抑えて運用が可能ですが、カスタマイズに制限があるのが注意点です。
オンプレミス型は、自社で構築したサーバーにシステムをインストールして使用する形態。
自社のサービスに最適な形にカスタマイズできますが、その分導入費用が高額になり、保守管理やメンテナンスなども必要です。
機能
TMSは製品によってさまざまな機能を備えていますが、まずは自社の具体的な課題を解決できる機能を持ったシステムを選びましょう。
すべての課題を解決しようとせず、優先順位の高い機能を段階的に検討することがポイントです。
システム連携性と拡張性
既存システムとの連携性、将来の事業拡大を見据えた拡張性も重要な選定基準です。
配送の周辺業務である倉庫管理システムや請求システムとの連携ができれば、業務効率をさらに高めることができるでしょう。
物流業界でもIT化による業務改善が進んでいます。
こちらのコラムで物流業界におけるIT化、IT活用の現状や事例をご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
TMS（輸配送管理システム）とはコスト削減と品質向上のメリットあり
TMS（輸配送管理システム）とは、配送トラックの配車や配送ルート、配送進捗などを管理する物流システムです。
主要機能は、配車・配送計画管理機能と配送進捗管理機能の2つ。
さまざまな条件を加味しながら荷物をトラックに割り当て、最適な配送ルートを作成し、配送中の車両や荷物の状況をリアルタイムでトラッキングします。
TMS導入のメリットは、配送業務効率化によるコスト削減、リアルタイムの状況把握による業務品質向上、データ運用による業務標準化です。
ただし、導入コストや運用コストがかかること、社内に浸透するまでには時間がかかるといったデメリットにも注意が必要です。
数あるTMSの中から自社に合った製品を選ぶには、運用形態、機能、連携性や拡張性がポイント。
自社の課題を解決する機能を備え、既存のシステムと連携できるタイプを選びましょう。
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この記事を書いた人
岡 拓人
キチナングループ株式会社 倉庫事業部
2021年新卒入社。キチナングループ株式会社 倉庫事業部。幼少期に始めた野球を今でも仲間と楽しくプレー中。終わった後は飲みに行くことが好き。笑顔には自信があります！好きな言葉は「ありがとう」。感謝を忘れず精進します。
