こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの岡です。 在庫数を実際にカウントする「実地棚卸」は非常に手間のかかる作業ですが、正確で適切な在庫管理には欠かせない手続きです。 そこで今回のコラムでは実地棚卸について解説。 実地棚卸の具体的な実施方法やポイント、実地棚卸で在庫に差異が発見された場合の対応もお伝えしますので、ぜひ知っておいてくださいね。 在庫管理をする女性

実地棚卸とは

実地棚卸とは、在庫商品の数を実際にカウントして正確な数量を把握し、帳簿上の数字と差異がないか比較する手続きです。 これに対して、帳簿上の在庫数を確認することを「帳簿棚卸」といいます。 実地棚卸の目的は、在庫数と利益の確認です。 在庫の入出荷のたびに在庫台帳(帳簿)に記録をしていても、記入漏れや記入ミス、紛失や破損、盗難などによって帳簿上の在庫数と実際の在庫数がずれてしまうことは、よく起こり得ることです。 そのため、定期的に実地棚卸を行い、帳簿在庫とのずれを修正します。 倉庫に保管している商品在庫は会社の資産ですから、資産を適切に管理し、正確な利益を計上するために実地棚卸が必要なのです。 また、在庫数がずれる原因を分析することで、在庫管理の効率化や適正化のヒントが見えてきます。 実地棚卸の過程で、不良品の発見や盗難などの不正を発見できることもあります。 帳簿上の在庫は「理論在庫」と呼ぶこともあります。 「理論在庫とは?実在庫との違いや差異が生じる原因と対策を知ろう」のコラムでは、帳簿在庫と実在庫に差異があるとどのような悪影響があるかという点についても解説しています。

実地棚卸の効果的な実施方法

実地棚卸を行う流れは一般的に以下の通りです。
  1. 事前準備
  2. 在庫のカウント
  3. 帳簿上の在庫と比較
それぞれの項目について、さらに解説します。

【1】事前準備

倉庫内の見取り図、棚卸作業のタイムスケジュール、棚卸票などを作成します。 倉庫内の整理整頓をし、社外に預けている商品は戻し入れ、他社から預かっている商品は返品または混同しないように分けておきましょう。

【2】在庫のカウント

実地棚卸は、2人1組で行います。 1人が在庫の商品名や品番、数量などを読み上げ、もう1人がそれを棚卸票に記入していきます。 1カ所のカウントが終わったら読み上げと記入の担当を交代し、ダブルチェックを行なってミスを防ぎます。 在庫数のカウント方法は以下の2種類があります。

タグ方式

在庫の保管棚ごとに連番の棚札を貼り付け、番号順に在庫数を数えて棚札に記入していく方法です。 連番管理は手間ですが、チェックの抜け漏れに気付きやすくミスを減らすため、現在主流となっています。

リスト方式

在庫管理システムから出力されたリストをもとに、在庫数を数えて照らし合わせていく方法です。 リストとの一致を確認していく流れなので手間が少なく比較的短時間で終わりますが、カウントミスが起こりやすい方法でもあります。 そもそもリストに抜け漏れがあった場合、現物のカウントがされずに進んでしまうリスクがあります。

【3】帳簿上の在庫と比較

全在庫についてカウントが終わったら棚卸票を集計し、帳簿在庫と比較をします。 実地棚卸と帳簿在庫(帳簿棚卸)に差異がないかを確認しましょう。 実地棚卸は最低でも年1回、決算の時期には実施が必要です。 それ以上の頻度は企業によって異なり、四半期ごとや半年ごと、毎月行うというケースもあるでしょう。 また、期末の棚卸では監査法人が同席し、棚卸の実施方法や在庫数、在庫管理の方法などが適正であるかを第三者に確認してもらわなくてはいけません。 なお、実地棚卸は手間のかかる作業のため、効率的な方法を取り入れる必要があります。 特に年に複数回行う場合は、エリアごとに区分してローテーションで行うなどといった方法も検討してみましょう。

実地棚卸と帳簿棚卸で差異があった場合の対処方法

倉庫を点検 実地棚卸と帳簿棚卸に差異があった場合は、なぜ差異が発生しているのかを分析しましょう。 在庫差異が発生する原因には以下のようなものがあります。
  • 実在庫の数え間違い
  • 帳簿在庫の入力ミス、記録ミス
  • 伝票や納品書の未着、紛失、記載ミス
  • 商品の破損や紛失、盗難
たくさんの商品を管理しているなかでは、多少の差異は発生するものです。 しかし、差異が多い場合は在庫管理の方法や体制に問題があるかもしれないため、原因を究明して改善する必要があるでしょう。 実地棚卸と帳簿棚卸の差異は、「棚卸誤差率」という指標で評価をします。 棚卸誤差率は「在庫差異数 ÷ 実在庫数」で求められ、多くの企業では棚卸誤差率0.1%を目標としているようです。

実地棚卸とは実在庫数を確認して帳簿在庫と比較する手続き

実地棚卸とは、保管されている在庫を全て数え、帳簿上の在庫数と差異がないか確認する手続きのことです。 最低でも年に1回、決算時に行い、会社の資産である在庫数を把握し、正確な利益計上を行います。 実地棚卸は、次のような流れで行います。
  1. 倉庫内の整理や棚卸票などの事前準備
  2. 2人1組でダブルチェックしながら在庫をカウント
  3. 実地棚卸と帳簿棚卸の比較
実地棚卸と帳簿棚卸に差異がある場合、カウントミスや伝票・帳簿のミス、または商品の破損や紛失があるということになります。 実地棚卸は在庫数を正確に把握すると同時に、差異が発生する原因を分析する在庫管理や業務の中の問題点を発見することにもつながります。 実施棚卸は非常に手間のかかる作業のため、物流業者の倉庫保管サービスに任せてしまうのも一つの方法です。 キチナングループでは、入庫から配送、輸送まで一貫した在庫管理に対応する倉庫保管サービスを提供しています。 商品の特性と要望に合わせて物流業務の最適化を提案しますので、お悩みの際はお気軽にご相談くださいね。

この記事を書いた人

岡 拓人

キチナングループ株式会社 倉庫事業部

2021年新卒入社。キチナングループ株式会社 倉庫事業部。幼少期に始めた野球を今でも仲間と楽しくプレー中。終わった後は飲みに行くことが好き。笑顔には自信があります!好きな言葉は「ありがとう」。感謝を忘れず精進します。