430休憩とは？改正のポイントや遵守する方法を解説

こんにちは！西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの三村です。

 

トラックドライバーの労働環境改善が進む中、2023年に改正、2024年4月1日から施行となった430休憩とはどんなルールかご存じでしょうか。

 

今回のコラムでは、厚生労働省告示で改正された430休憩について解説。

注目すべき改正ポイントや遵守するための方法をご紹介します。

運送会社やトラックドライバーはもちろん、運転業務がある会社全てに関わる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

430休憩とは

430休憩とは、トラックドライバーの休憩について「4時間以上の長時間運転には、必ず30分以上の休憩をとる」というルールの通称です。

「430」という名称は、「4時間」と「30分」という数字に由来していて、数字部分は「ヨンサンマル」と読みます。

厚生労働省の「トラック運転者の改善基準告示」で改正され、2024年4月1日より施行となりました。

 

430休憩の目的は、トラックドライバーの労働環境の改善です。

長時間労働を是正（ぜせい）し、ドライバーの過労軽減、事故防止などを目的としています。

 

430休憩の対象となるのは、仕事で運転をしている労働者（雇用者）で、勤務時間の半分以上を運転しているというドライバー。

トラックドライバーやバス・タクシーの運転手などをはじめ、自家用トラック（白ナンバー）の運転者でも、条件に当てはまれば対象となります。

 

なお、個人事業主のドライバーは雇用者ではないので今回の告示の対象ではありません。

しかし、ドライバーの労働環境の改善、過労や事故防止という観点から、同様に遵守が求められています。

 

同様に、ドライバーの働き方改革の一つである「時間外労働の上限規制」も、2024年4月1日から完全施行されています。

これは2024年問題とも呼ばれ、物流業界だけでなく、社会全体にも大きな影響をおよぼしています。

 

2024年問題についてはこちらのコラムでも詳しくご紹介しています。

物流業界における2024年問題とは？働き方への影響や課題も解説

 

 

2024年4月に改正！430休憩の変更ポイント

今回の改正で430休憩がどのように変わったのか、特に重要な変更点について確認しましょう。

 

【ポイント1】休憩時間の取得の強化

改正前の規定では、4時間を超える連続運転には30分以上の「運転の中断」が必要とされていました。

この「中断」には、荷物の積み下ろしや待機時間なども含まれていたため、実質的な休息が十分に確保されないケースも。

 

しかし、今回の改正により、この30分間は「休憩」であることとされました。

荷物の積み下ろしや待機時間は休憩にはカウントされず、ドライバーが完全に自由に使える休憩である必要があります。

 

【ポイント2】分割休憩は1回おおむね10分以上と明記

休憩時間は、分割して取得することも認められています。

そして分割休憩は「1回がおおむね10分以上」という文言が明記されました。

10分未満の休憩が3回以上連続しないことも定めています。

 

【ポイント3】やむを得ない場合の運転延長

以下のような場合は、例外として連続運転が4時間を超えて30分まで延長できるとしています。

• サービスエリアやパーキングエリアが満車で停車できない場合
• 安全に駐車できる適切な場所が見つからない場合
• その他やむを得ない事情がある場合

 

 

430休憩を遵守する方法

430休憩の遵守は、ドライバーの労働環境を守り、過労や事故を防ぐためにも重要です。

430休憩を確実に実施するための方法や、もし違反した場合の罰則などをご紹介します。

 

430休憩を実施するための方法

430休憩を確実に実施するには、「無理のない運行計画の策定」と「運行マニュアルの整備と共有」の2点が大切です。

 

方法①無理のない運行計画の策定

まずは、ドライバーにとって無理のない運行計画を作成することが重要。

適切な運行計画は、安全運転と運送の効率化にもつながります。

 

季節や天候、時間帯による道路状況や渋滞状況を考慮し、道路工事や事故などによる迂回の可能性なども想定して計画を立てましょう。

輸送管理システムを導入してデータ分析から運行計画を作成するのもおすすめです。

 

方法②運行マニュアルの整備と共有

運行ルールを明文化し、会社全体で共有することも大切です。

定期的な研修やミーティングで共有し、運行記録を確実につける仕組みづくりなどにも取り組みましょう。

 

430休憩に違反するとどうなる？

430休憩は改善基準告示の一部であり、法律ではないため、違反に対する罰則はありません。

しかし、430休憩を守らなかった会社は状況によって、労働基準監督署からの指導や車両使用停止などの行政処分を受ける可能性があります。

 

適切な休憩がとれないとドライバーの労働環境が悪化し、事故や離職などにつながるリスクも。

会社として、430休憩をしっかり守るための取り組みを進めることが大切です。

 

 

430休憩の確実な実施で安全運転と働きやすい職場を実現

430休憩とは、「4時間以上の運転には30分以上の休憩をとる」というドライバーの休憩ルールの通称です。

ドライバーの労働環境改善を目的として新たに改正され、2024年4月1日から施行されています。

対象は仕事で運転をしている雇用者のドライバーで、個人事業主のドライバーにも実質的に遵守が求められています。

 

今回の改正では、荷積み・荷降ろし・待機などを休憩時間に含めないこと、分割取得は1回がおおむね10分以上であることが明確化され、より実効性のある告示となっています。

 

430休憩の確実な実行には、無理のない運行計画を立て、会社とドライバーの両方が意識をして取り組んでいくことが必要です。

430休憩を守ることは、ドライバーの安全と健康を守るだけでなく、運送業界全体の持続可能な運営にも影響するでしょう。

 

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