こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの津田です。

 

リバースロジスティクス(逆物流)とは、一般的なロジスティクス(物流)とは逆の流れで、商品が消費者から販売者や生産者へと向かう流れのことです。

すぐに想像するのは「返品」の流れだと思います。

しかし、現代のリバースロジスティクスは再利用や廃棄までを踏まえた流れとして考える必要があり、リバースロジスティクスの重要性も増してきています。

 

そこで今回のコラムでは、リバースロジスティクス(逆物流)について解説。

リバースロジスティクス(逆物流)の役割やその重要性、抱える課題などをお伝えします。

 

 

リバースロジスティクスとは

リバースロジスティクス(逆物流)は、商品が消費者から販売者や生産者へと向かう流れのことです。

 

通常「物流(ロジスティクス、動脈物流)」とは、商品が生産・製造されて消費者に届くまでの流れのことを指します。

リバースロジスティクスは「リバース」という言葉の通り、一般的な「物流」とは逆の流れの物流になります。

 

リバースロジスティクスは逆物流のほか、「逆物流管理」「還流物流管理」「還流物流」「静脈物流」などと呼ばれることもあります。

 

リバースロジスティクス(静脈物流)、ロジスティクス(動脈物流)についてはこちらのコラムでも詳しく解説していますよ。

静脈物流・動脈物流とは?種類や特徴を詳しく解説!

 

かつては、リバースロジスティクスといえば、主に誤配送や不良品、期限切れ商品などの返品の流れについてのみフォーカスされていました。

 

しかし現代では、リバースロジスティクスは商品回収の先の修理や再利用、廃棄までを踏まえたプロセスとして運用されるべきという考え方に進化。

リバースロジスティクスの先に新たな価値を付加できるような体制を、構築・管理・運用しようという流れになっています。

 

 

リバースロジスティクスを最適化するメリット

リバースロジスティクス(逆物流)を最適化することで企業が得られるメリットには、以下のようなものがあります。

 

スムーズな返品処理で顧客の信頼を得られる

リバースロジスティクスの多くは、商品の返品からその流れがスタートします。

誤配送や不具合などを原因とした返品の場合、顧客はすでに企業に対して不満を持っている状態。

そのため、リバースロジスティクスはとりわけスムーズに、そして丁寧な対応で進める必要があります。

返品に関するリバースロジスティクスは、顧客の満足度や信頼度を左右する重要な要素なのです。

 

購入の不安を軽減して販売機会の損失を防ぐ

近年利用が増えているインターネットショッピングは、商品を直接確認せずに購入するので、返品の可能性も高まります。

万が一返品が発生した際に、返品の手間や費用が負担になるようなシステムだと、購入を迷ってしまうかもしれません。

 

そこで、リバースロジスティクスを最適化し、返品時の消費者側の不安や負担を減らすことで安心して購入してもらえて、販売機会の損失を防ぐことができます。

 

コストを削減する

リバースロジスティクスには、返送や商品の再発送にかかる送料、手数料、商品の点検や再在庫にかかる人件費など、さまざまな費用がかかります。

リバースロジスティクスを最適化して一斉管理することで、これらのコストを削減できます。

 

また、資材やパーツなどの再利用に関するリバースロジスティクスを最適化することは、資材費のコスト削減にもつながります。

なお、リサイクルやリユースは環境への配慮として、現代の企業に求められる取り組みの一つ。

この取り組みを最適化することは、企業の社会的信頼を高めるきっかけにもなるでしょう。

 

キチナングループのリバースロジスティクス最適化の事例を紹介!

キチナングループでの事例を紹介します。

 

事例①日用雑貨の荷主様から「廃棄が激減しました」と高い評価をいただきました

日用雑貨の荷主様の入出庫をしていました。

日々出荷を順調に行い、在庫管理も徹底していたため、お客様と信頼関係を築くことができていました。

荷主様へ「現在困っていることはありますか?」と、何気なく聞くと実は返品業務でお困りというお話をお伺いしました。

 

<返品業務の課題>

  1. 運賃が高い(着払いのため)
  2. さまざまな路線便で返ってくるため、複数回の積み下ろしが発生
    荷傷み(汚損・破損・品質劣化)が起きてしまう
  3. 検品再生に時間を要する
    返品日が偏る

 

お客様の課題をお伺いし、私たちは以下のように対応しました。

 

<改善案>

  1. 元払い運賃に設定
  2. 出荷時に、同業者に返品商材の集荷に変えたことで、積み下ろしの回数が激減
    →荷傷みは10%を切ることに成功!
  3. キチナングループで、検品・再生を行うことで固定費が変動費に変更

1〜3を実施し、実績を評価され大阪で全国の返品センター要請がありました。

社内外向け販売のセット加工も手がけ、荷主様より「廃棄が激減しました」と高い評価をいただきました。

 

事例②小物雑貨の荷主様から「売上利益に大きく貢献してくれた」とお喜びの声をいただきました

仕入れから在庫管理、出荷とあらゆる流通加工を全面的に請け負っていました。

当初は半年単位で棚卸しを行い、メーカーに返せない物は廃棄処分されていました。

 

弊社キチナングループからの提案で、半年単位で「ファミリーセール」と題して、従業員向けに社販を実施。

 

これにより、以前廃棄していた商材の大半が販売でき、廃棄費用がなくなりました。

先方から「売上利益に大きく貢献してくれた」とお喜びの声をいただきました。

 

キチナングループが考えるセカンドチャンスマーケットの取組み

私たちは以下を実現することで、三方良しのサイクルが広がり社会貢献となると考えています。

  1. 取引先との信頼関係を強くする仕組み作り
  2. キチナングループを使用する最大のメリットとして同業他社で出来ない体制を構築する
  3. 新規の営業ツールとして、同業他社との差別化させる
  4. 社内にブース(門真第2営業所計画中)を開設し、現物展示して販売のお手伝いを行う(月~土)
  5. 荷主様と一緒にSDGsに取組む
  6. 将来自社内で再生の請け負いをフランチャイズ化し、若手に経営の意識育成に繋げる

 

キチナングループでは、お客様の課題に寄り添った物流アウトソーシングサービスを提供しています。

物流のプロがお客さまの状況をヒアリングしてニーズに対応する最適な物流アウトソーシングのご提案をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

リバースロジスティクスが抱える課題と解決方法

リバースロジスティクス

リバースロジスティクス(逆物流)は、通常の物流と比べ、「いつ・どこで・どのくらい」発生するかが予測しにくいという問題点があります。

通常の物流は、受注量や納品スケジュールが決まっているのでそれに合わせて管理が可能です。

しかし、特に返品に関わるリバースロジスティクスは、タイミングや量の予測が難しく、そのために管理もしにくいのです。

 

さらに、最近では画面越しに商品を選んで購入するインターネット通販が普及し、購入後に「思っていたのと違った」という返品も起こりやすい状況です。

 

そこで、リバースロジスティクスを効率的に管理、最適化するためにAIなどの技術を活用したシステムの導入を進める企業も増えています。

ユーザーの返品行動におけるデータを収集し、AIで分析、その情報を元に効率的な物流フローや人材配置を図っています。

 

リバースロジスティクスは通常の物流とは異なる知識やノウハウが必要です。

社内システムや自社リソースで対応が難しい場合は、専門のシステムを導入したり、外部の専門家へアウトソーシングしたりする選択肢も検討しましょう。

 

 

リバースロジスティクス(逆物流)とは消費者から生産者へ向かう物流

リバースロジスティクス(逆物流)とは、商品が消費者から販売者や生産者へ向かう流れのことを指します。

従来は主に返品処理の物流を意味していましたが、現代では再利用や廃棄までを含む包括的なプロセスとして捉えられていますよ。

 

企業にとってリバースロジスティクスの最適化は、顧客信頼の獲得、販売機会の損失防止、コスト削減といったメリットがあり、環境への配慮を示すことで、社会的信頼の獲得にもつながります。

特に近年増えているインターネット通販では、「思っていたのと違った」という返品の可能性も高いため、その重要性は増加傾向に。

 

しかし、返品に関わるリバースロジスティクスは発生時期や量の予測が困難という課題もあります。

各企業はAIを活用したデータ分析や専門システムの導入、外部専門家へのアウトソーシングなどを活用しながら解決を図っています。

 

キチナングループでは、物流アウトソーシングサービスを提供しています。

物流のプロがお客さまの状況をヒアリングしてニーズに対応する最適な物流アウトソーシングのご提案をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

津田 康平

キチナングループ株式会社 倉庫事業部 主任

2018年中途入社。キチナングループ株式会社 倉庫事業部営業部。前職でも営業をしていました。プライベートでは奥様と買い物に行ったり、趣味のゴルフやバス釣りを楽しんでいます。好きな言葉は「この道より 我を活かす道無し この道を歩く」。