こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの採用担当荒木です。
車の運転が好きな方にとって、ドライバーになるというのも就職活動の一つの選択肢になるのではないでしょうか。
今回はドライバーの中でも特に、トラックドライバーになるための免許について解説します。
「トラックを運転するのにはどの免許がいるのだろう」
「免許の種類によって運転できるトラックが違うのだろうか」と気になる方に向けて、必要な免許の種類や受験資格、費用の相場についても解説しますのでぜひ参考にしてくださいね。
トラックドライバーに必要な免許は?種類別に紹介
トラックを運転するにあたって、必要になるのは運転免許です。
運転免許は、運転できる車の大きさによって必要な免許が異なります。
そこでまずは、運転免許の種類と運転できる車の種類について解説していきましょう。
トラックドライバーに必要な免許の種類
トラックを運転できる運転免許は現在、大きく分けて以下の4つの種類があります。
- 普通自動車免許
- 準中型自動車免許
- 中型自動車免許
- 大型自動車免許
運転免許制度ができてからしばらくは、免許の種類は「普通免許」と「大型免許」の2種類でした。
2007年(平成19年)の法改正で「普通自動車免許」「中型自動車免許」「大型自動車免許」の3種類になったところに、さらに2017年(平成29年)3月の法改正で「準中型自動車免許」が新設され、4種類になっています。
このため、免許の取得時期によって運転できる車の範囲が異なることには注意が必要です。
取得時期と運転できる自動車の範囲については以下の通りです。
<2007年(平成19年)6月1日までに免許取得した方>
- 普通免許:最大積載量5t未満/車両総重量8t未満
- 大型免許:最大積載量5t以上//車両総重量8t以上
<2007年(平成19年)6月2日から2017年(平成29年)3月11日までに免許取得した方>
- 普通免許:最大積載量3t未満/車両総重量5t未満
- 中型免許:最大積載量3~6.5t未満/車両総重量5~11t未満
- 大型免許:最大積載量6.5t以上/車両総重量11t以上
<2017年(平成29年)3月12日以降に免許取得した方>
- 普通免許:最大積載量2t未満/車両総重量3.5t未満
- 準中型免許:最大積載量2~4.5t未満/車両総重量3.5~7.5t未満
- 中型免許:最大積載量4.5~6.5t未満/車両総重量7.5~11t未満
- 大型免許:最大積載量6.5t/車両総重量11t以上
運転免許の種類が改正された背景には、トラックによる交通死亡事故を削減することにくわえて、若者の雇用促進を目指す目的があります。
2017年の法改正で準中型自動車免許が新設されたことによって、初めて免許を取る18歳以上の方でも7.5tまでのトラックを運転できることになりました。
これからトラックドライバーを目指したいと考える若者にも、免許が取りやすい環境になったといえるでしょう。
どの免許でどのトラックに乗れる?免許の種類別に解説
では、具体的にどの免許を取れば、どのようなトラックに乗れるのでしょうか。
最大積載量や車両総重量ではイメージしにくいかもしれませんので、もう少し詳しく解説していきましょう。
普通自動車
普通自動車免許で乗れる自動車の範囲は以下の通りです。
- 車両総重量3.5t未満
- 定員10人以下(最大積載量2t未満)
この条件に当てはまる車は、自家用普通乗用車の他、ワゴンタイプの車や1tトラックなどがあります。
1tトラックはワンボックスカー程度の大きさで小回りが利くことから、宅配便などで各家庭に配送する際や一人暮らしの方の引越しなどでも活躍しています。
一部のホームセンターなどで、購入した商品の持ち帰り用に貸し出しているトラックなども、普通自動車免許で運転可能な1tトラックまでの大きさがほとんどです。
準中型自動車
準中型自動車免許で乗れる自動車の範囲は以下の通りです。
- 車両総重量7.5t未満
- 定員10人以下(最大積載量4.5t未満)
この条件に当てはまるトラックは、2tトラック、3tトラックなどがあります。
2tトラックは、宅配便の個人宅への配送に使われるだけでなく、冷凍車や冷蔵車などにも広く用いられています。
生活の中でよく見かけるゴミ収集車などの「パッカー車」にも2tトラックが使われていると言えば、大きさのイメージがつきやすいのではないでしょうか。
また3tトラックは小型トラックという分類の中では一番大きなサイズとなっており、建築用資材などを運ぶトラックとして、よく見かけるサイズといえるでしょう。
4tトラックよりも車両の長さやホイールベースが短いため、住宅地などへも入りやすいトラックです。
8t限定中型免許
8t限定中型免許で運転できる自動車の範囲は以下の通りです。
- 車両総重量8t未満
- 定員10人以下(最大積載量5t未満)
規定をどれか一つでも超えてしまうと、8t限定中型免許では運転ができないので注意しましょう。
例えば、一見普通車にみえるハイエースであっても、定員10人を超える車であれば運転できません。
すべての車検証に規定が記載されているのでチェックしましょう。
中型自動車
中型自動車免許で運転できる自動車の範囲は以下の通りです。
- 車両総重量11t未満
- 定員11人以上29人以下(最大積載量6.5t未満)
これは、4tトラックと6tトラックまでが当てはまります。
荷台が大きく空いたトラックだけでなく、小さめのダンプカーやミキサー車などもこのサイズで活躍しています。
また、荷物の配送や引越し業者のトラックなどで、ハブ間をつなぐ長距離移動の際に使われるのもこのサイズが多くなります。
大型自動車
大型自動車免許で運転できるトラックの範囲は以下の通りです。
- 車両総重量11t以上
- 定員30人以上(最大積載量6.5t以上)
定員を見ても分かるように大型自動車免許を取得すると大型トラックだけでなく、大型バスも運転できるようになります。
大型トラックは、高速道路などでよく見かける荷台部分に箱形の荷室を掲載したトラックをイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。
運転免許以外にトラックドライバーが持つと有利な免許は?
トラックドライバーを目指すなら、運転免許以外にも持っていたほうが有利になる免許がいくつかあります。
また、トラックが運ぶものの種類によっては他の資格が必要になることもありますので、自分が目指すドライバーに必要な免許は確認したほうが良いでしょう。
フォークリフト運転技能者
大型トラックなどで大量の荷物を運ぶ場合、物流の現場ではドライバーがフォークリフトを利用して荷物を積んだり降ろしたりする場面もあります。
もちろん、倉庫側で行うことも多い作業ですが、ドライバーができるほうが重宝されることも多い免許といえるでしょう。
危険物取扱者
危険物取扱者の免許は、化学物質などの危険物を扱うために必要な免許です。
消防法に定められた危険物であるガソリンを運ぶタンクローリーは大型であることも多く、大型自動車運転免許のほか、危険物取扱者の資格を持っている必要があります。
危険物取扱者については「危険物取扱者とは?資格取得方法や仕事内容をチェック!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考にしてください。
運行管理者
物流業や運送会社でドライバーの仕事をする場合、運送業では運行管理者の配置が義務づけられています。
ドライバーの仕事だけであれば必須資格ではありませんが、キャリアアップや待遇の改善に有利となる資格ですので保有するのも良いでしょう。
運行管理者について詳しくは「物流業界の運行管理者とは?仕事内容や運行管理者になる方法も解説」でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
トラックドライバーの免許取得に必要な費用や受験資格
トラックドライバーに必要な免許を取得するにあたって「自分に受験資格があるのか」「どのぐらいの費用がかかるのか」など、気になる方も多いでしょう。
そこで、ここからはそれぞれの運転免許取得に必要な受験資格と費用相場について解説します。
普通免許
普通自動車免許取得に必要な受験資格は以下の通りです。
- 18歳以上
取得にかかる一般的な費用は以下のようになっています。
- MT車免許:28~34万円
- AT車限定免許:27~33万円
準中型免許
準中型自動車免許取得に必要な受験資格は以下の通りです。
- 18歳以上
準中型自動車免許は、年齢以外の条件がないため初めて免許を取るという方にとっても、取得しやすい免許といえるでしょう。
取得にかかる一般的な費用は以下のようになっています。
- 免許なし:37~41万円
- MT免許所持:17~21万円
- AT限定免許所持:19~23万円
中型免許
中型自動車免許取得に必要な受験資格は以下の通りです。
- 20歳以上
- 普通自動車、準中型、大型特殊のうち、いずれかの免許を保有していて、その期間が通算2年以上であること
中型免許取得を目指す場合も大型免許と同じように、どの免許を保有しているかによって、教習にかかる費用が異なります。
一般的な費用相場としては以下の通りです。
- 準中型免許所持:15~18万円
- MT普通免許所持:19~24万円
- AT限定普通免許所持:20~26万円
大型免許
大型自動車免許取得に必要な受験資格は以下の通りです。
- 21歳以上
- 普通自動車、準中型、中型、大型特殊のうち、いずれかの免許を保有していて、その期間が通算3年以上であること
大型免許取得を目指す場合、教習所にもよりますがどの免許を保有しているかによって、教習にかかる費用が異なるので注意が必要です。
一般的な費用相場としては以下のようになります。
- 中型免許所持:22~27万円
- 準中型免許所持:29~38万円
- MT普通免許所持:35~42万円
- AT限定普通免許所持:36~45万円
キチナングループでは、福利厚生の一環として、フォークリフト、玉掛け、ホイスト、準中型免許、中型免許、大型免許、けん引免許などをはじめ、キャリアアップに必要な各種試験の資格取得支援制度を整備。
キチナングループでは「物流サービス(価値提供)の源泉は人」と考え、「一人ひとりが成長する機会を提供する」ことに力を入れています。
種類が増えて挑戦しやすい!トラックドライバー免許を取ろう
今回は、ドライバーへの就職を目指す方に向けて、特にトラックドライバーの免許について詳しく解説しました。
トラックを運転できる自動車免許は現在、普通・準中型・中型・大型の4つの種類があります。
2017年(平成29年)の法改正では、それまで3つだった免許の種類に、若者の雇用促進を目的として準中型が新設されています。
トラックを運転する場合は、法改正の影響で免許取得の時期によって運転できるトラックの範囲が違うことには注意が必要でしょう。
また、免許の種類によって受験資格やかかる費用にも違いがあります。
今持っている免許と、今後、取得を目指すドライバー像を考えた上で、今、受験資格のある免許から1つずつステップアップしていくのが良いでしょう。
キチナングループでは、仕事に必要な免許はもちろん、キャリアアップに必要な各種資格取得への支援制度も用意しています。
将来も見据えて、さまざまな資格に挑戦してみるのはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
荒木 花恋
キチナングループ株式会社 経営企画部
2022年新卒入社。吉南株式会社経営企画部採用担当。 入社後、大型ウイング車の配車を担当。2023年1月より経営企画部に異動、入社して10ヶ月で採用担当として活動中。温泉巡りが好きで山口はもちろん、九州の温泉を巡って癒されています。好きな言葉は、”人事を尽くして天命を待つ”。