こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの天野です。

 

人々の生活基盤を支える倉庫業は、生産と消費の間を結ぶ大切な産業です。

人類の歴史の中でも、物資を貯蔵することや運搬することへの技術の進化は目覚ましく、私たちの生活を発展させる上で重要な役割を果たします。

 

そこで今回は、倉庫業における倉庫の種類、それぞれの特徴などをご紹介します。

倉庫

 

 

倉庫の種類をチェック!どんな種類がある?

倉庫を大まかに分類すると、2つの種類に分けられます。

 

1つは営利目的として使用される「営業倉庫」、もう1つは営利目的を行わない一般家庭などの個人が利用する「自家用倉庫」です。

2つの違いは明確で、営利目的であるかどうかで営業倉庫か自家用倉庫に分けられます。

つまり倉庫業における倉庫は、すべて営業倉庫に該当することになります。

 

営業倉庫とは

倉庫業が利用する営業倉庫には、国土交通省の「倉庫業法」と呼ばれるルールが定められています。

この倉庫業法には「倉庫業法施行規則」と呼ばれるルールがあり、このルールに則って営業倉庫で保管する物品は、内容ごとにさらに細分化されます。

 

細分化される営業倉庫の種類は大きく分けると以下の3種類です。

  • 冷蔵倉庫
  • 水面倉庫
  • 普通倉庫

 

冷蔵倉庫は、冷蔵で取り扱うことが推奨される物品を保管する倉庫です。

主に生鮮食品や冷凍品のような、摂氏10度以下の低温で保管しなければならない物品が保管対象になります。

 

水面倉庫は名前からはイメージがしづらいかもしれませんが、その名前の通り、水面に浮かべることで保管を行う倉庫です。

主に原木などを水面に浮かべて管理します。

木などを水に浮かべて保管することから「水面貯木庫」と呼ばれることもあります。

 

普通倉庫では、農業、鉱業、製造物、消費者の財産の保管などを行います。

普通倉庫の種類に関しては、倉庫業法施行規則で定められた施設設備基準によってさらに細分化されているため、後ほど詳しくご紹介していきますね!

 

倉庫業を営むためには登録が必要!未登録倉庫には注意を

倉庫業を営むためには、必ず国土交通省へ倉庫業者である登録を行わなければなりません。

そして、倉庫業者として国土交通省に登録されるためには、倉庫で安全に物品を保管するためのルールとして定められている、倉庫業法を遵守する必要があります。

 

万が一、未登録で倉庫業を営業した場合は、1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金が課せられることとなっています。

 

しかし現実は、無許可や未登録で営業を行う倉庫は多数あるといわれています。

倉庫保管サービスの利用を検討される場合は、しっかりと信頼のおける倉庫業者を見極めることが大切です。

 

物流倉庫の選び方については「物流倉庫の選び方とは?チェックポイントを詳しく紹介!」で詳しく解説しておりますので、あわせてチェックしてみてくださいね。

 

 

普通倉庫の種類は?それぞれの特徴を詳しくご紹介!

倉庫 作業員

倉庫業法で定められる倉庫の種類は厳密にいうと9種類あり、先ほどご紹介した「冷蔵倉庫」と「水面倉庫」を除く残り7種類が、「普通倉庫」として定められています。

それぞれの倉庫の特徴や、主に取り扱い保管品・物品について詳しく紹介していきましょう。

 

1類倉庫

1類倉庫で扱う主な保管品は、日用品や繊維・紙・パルプ・電気機械などになります。

補足すると、2類と3類で扱わない保管品はすべて1類に属すと考えればわかりやすいでしょう。

 

1類~3類の倉庫には設備や構造の基準があり、3段階のグレードに分かれます。

 

1類の倉庫はもっとも厳しい施設設備基準を満たした倉庫で、防湿性能・耐火性能・防火性能などの施設設備基準が備わっています。

他にも、国土交通大臣の定める防犯措置および、ねずみによる害などを意味する「そ害」の防止設備も設置されている必要があります。

 

2類倉庫

2類倉庫で扱う主な保管品は、麦・でんぷん・飼料・塩・皮革・鉄製品・セメントなど。

2類倉庫では、危険物に当たる危険物倉庫で保管する物品を除く、貯蔵槽倉庫に該当する物品の保管も可能です。

 

2類倉庫の特徴としては、1類倉庫よりも耐火性や防火性が求められないことです。

耐火性と防火性が低い倉庫なため、燃えやすい物品を保管することはできないなどの制約が発生します。

 

3類倉庫

3類倉庫で扱う主な保管品は、湿気や気温の変化により変質が起こりにくいガラス類や陶磁器類、鉄材などになります。

 

3類倉庫の特徴は、2類倉庫と同じく耐火性や防火性が求められない点です。

加えて防湿性も求められないため、濡れても問題がない物品のみの保管が可能な倉庫になります。

 

野積倉庫

野積倉庫の主な保管品は、雨や風、日光などの影響を受けにくい物品です。

原材料として扱われるレンガやセメント製品、木材や自動車などに廃タイヤなどです。

屋外で保管をしても影響を受けないものと考えるといいでしょう。

 

野積倉庫の特徴は、その名前の通り野外(屋外)にて物品の保管を行う点です。

敷地に柵や塀などの国土交通大臣が定める防護施設を設置して保管品を守ります。

 

他にも防犯対策として有効な設備や、保管品が落下してこないような措置を施している必要があります。

 

キチナングループでも、ご要望がございましたら協力会社にて対応が可能です。

 

貯蔵槽倉庫

貯蔵槽倉庫で扱う主な物品は、袋や容器に入っていないバラ状態の小麦・大麦・トウモロコシをはじめとする貨物。

または糖蜜のような液状の貨物です。

 

加えて1~2類倉庫に該当する物品のうち、バラで保管をする際にも貯蔵槽倉庫が使用されます。

「サイロ」や「タンク」をイメージするとわかりやすいでしょう。

 

貯蔵槽倉庫の特徴としては、防火や耐水性能のある点があげられます。

燃えやすい物品が多くなることから、消化器や消火設備の設置が必須となっています。

 

また、周壁の側面や底面の強度に関して、国土交通大臣の定める基準に適合している必要もあります。

 

危険物倉庫

危険物倉庫は、その名の通り危険物や高圧ガスなどを保管するための倉庫です。

大量の危険物や高圧ガスを扱うことから、施設設備基準は大変厳しくなっています。

 

防湿性・防火性に加え、防水性が備えられており、防犯措置として敷地に塀や柵、鉄条網などの設置も必要です。

 

危険物倉庫は他の倉庫と異なり、保管する物品の種類に応じてさまざまな規定を満たしている必要があります。

「消防法」や「高圧ガス保安法」、「液化石油ガスの確保および取引の適正化に関する法律」などが該当します。

 

キチナングループは、倉庫事業部で第2類・第4類、吉南運輸で、第4類の危険物倉庫を保有しています。

 

トランクルーム

トランクルームで扱う主な物品は、個人の財産です。

家具家電や骨董品、スポーツ用品など、家庭で使用・保管するものが幅広く対象になります。

 

個人の財産を保管する倉庫ですので「営業倉庫」ではないと考えられるかもしれません。

しかし、トランクルームに関しては、平成14年に国土交通省が施行した倉庫業法によって認定制度が設けられています。

 

国土交通省が「優良」の判断を下した施設は「認定トランクルーム」となります。

 

 

倉庫には種類がある!保管するものに合わせて正しく選ぼう

私たちの生活に寄り添い、日々発展する物流業。

そして物流の根底を支える倉庫業では、保管するものに応じて倉庫の種類が分けられています。

 

倉庫は営業目的かどうかで「営業倉庫」と「自家用倉庫」に分けられ、さらに法令に基づき倉庫の種類は細分化されます。

営業倉庫は「普通倉庫」「冷蔵倉庫」「水面倉庫」の3つに大分され、「普通倉庫」はさらに7つの種類があります。

 

分類が多いことから、複雑に感じるかもしれませんが、それぞれの倉庫の特徴や主な取り扱い物品を見れば、きちんと棲み分けがされていることがわかりますよね!

 

倉庫の運営には、保管品に応じた適切な設備基準を満たし、その上で国土交通省への登録が必要です。

倉庫保管サービスの利用を検討する際は、きちんと倉庫業者としての登録が確認できる信頼のおける業者を選ぶようにしましょう。

 

キチナングループの吉南運輸では、普通倉庫を「ネステナーラック」のデポ倉庫としても活用しており、ネステナーラックのレンタルもしております。

レンタル希望の方は、是非ご相談ください。

この記事を書いた人

天野 舞子

キチナンロジスティクス株式会社 営業部

2021年新卒入社。キチナンロジスティクス株式会社 営業部。プライベートでは山口県のミネルバ宇部でプロフットサル選手兼副キャプテンとして活躍中。休日はショッピングやパン屋巡り、掃除をして気持ちをリフレッシュしています。好きな言葉は「勇住邁進」。

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