無期雇用派遣とは？企業が受け入れるメリットや正社員との違いも

こんにちは！西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの白石です。

 

人材派遣の就業形態には、有期雇用派遣と無期雇用派遣の2種類があることをご存じでしょうか？

一般的に「派遣」というと有期雇用派遣を想像する方が多いですが、無期雇用派遣は受け入れる企業にとってもメリットある雇用形態です。

 

今回は、無期雇用派遣についてその仕組みやメリットを解説します。

有期雇用派遣や正社員との違いについても確認しておきましょう。

 

 

無期雇用派遣とは？

まず派遣とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業に派遣されて働く就業形態。

 

一般的な派遣の働き方は、契約によって就業期間があらかじめ決められていて、就業期間が満了すると終了または更新をします。

これを「有期雇用派遣（登録型派遣）」といいます。

労働者は派遣会社にあらかじめ登録をしておき、派遣先での就業が決まると派遣会社と雇用関係を結び、派遣先での就業が終了すると派遣会社との雇用関係も終了します。

 

一方、今回ご紹介する「無期雇用派遣」とは、派遣会社と雇用関係を結んで派遣先企業へ派遣されて働くのは同じですが、その際に雇用期間の定めがない就業形態です。

正式名称は「常用型派遣」といいます。

 

有期雇用派遣は、派遣先企業で就業している間だけ派遣会社と労働者の雇用契約が結ばれていますが、無期雇用派遣では、派遣先企業の決定・就業状況に関わらず、派遣会社と労働者は雇用関係が継続します。

 

無期雇用派遣の場合、派遣先での就業が終了しても、派遣会社との雇用関係が継続しているため、派遣会社から給与や休業手当などが支払われます。

派遣就業がない間は、派遣会社での業務に従事したり研修を受け、給与を得ることが多いようです。

 

無期雇用派遣が誕生した背景

無期雇用派遣は、2015年の労働派遣法改正により制度化されました。

 

2015年の法改正では、派遣社員の待遇改善を目指して「同一企業、同一部署での派遣就業は最大3年まで」というルールが定められました。

これは、長年同じ業務に従事している派遣社員に、短期間で更新を繰り返す不安定な雇用形態ではなく、安定した雇用を提供するよう求めるというもの。

 

そして、雇用の安定性の選択肢の一つとして、期間の定めのない無期雇用派遣という働き方が誕生しました。

 

 

「無期雇用派遣」と「派遣会社の正社員」との違いとは

派遣会社に雇用されている「無期雇用派遣」と「派遣会社の正社員」は、どちらも派遣会社に雇用され、就業期間の定めがないという点では同じです。

 

しかし、派遣会社で社内の業務に従事する正社員と異なり、無期雇用派遣は派遣先企業へ派遣されて働くのが前提の働き方。

そのため、就業中の指揮命令系統は派遣先企業にあります。

 

無期雇用派遣は有期雇用派遣と比べて、各種手当や昇給、賞与などの待遇や福利厚生などが充実しているケースが多いですが、正社員と全く同じ内容であるとは限りません。

 

 

 無期雇用派遣を受け入れるメリット

無期雇用派遣は、有期雇用派遣と異なり就業期間の定めはありません。

労働派遣法の「3年ルール」に縛られず長く働いてもらうことができます。

 

定期的に派遣スタッフが入れ替わってしまうのは、受け入れる企業としてもメリットが大きいもの。

スタッフが退職するたびに後任を探し、引継ぎをし、業務を教えるのは大きな労力がかかります。

専門性や難易度の高い業務は仕事に慣れるのにも時間がかかるので、同じスタッフが長く働いてくれた方が仕事のクオリティが安定し、安心して仕事を任せることができます。

 

また、派遣会社が無期雇用派遣を雇い入れる際には、採用試験を行ったり有期雇用契約時の働きぶりを評価して転換するなど、一定の採用基準を設けています。

そのため、高いスキルや業務実績を持つ優秀なスタッフが派遣される可能性が高いといえるでしょう。

 

そのほか人材派遣を利用するメリットや注意点について「人材派遣を利用するメリットは？注意点や利用の流れもチェック」でも詳しくご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

なお、無期雇用派遣はスタッフ本人にとってもメリットのある働き方です。

同じ職場で長期間働き続けられることは、スキルアップやキャリアアップにつながります。

 

万が一、派遣先での就業が終了しても派遣会社との雇用関係は途切れないので、毎月の収入が途切れることがありません。

有期雇用派遣よりも待遇が良く、給与は月給制で昇給や賞与の制度が定められているケースも。

 

また、無期雇用派遣を行う派遣会社は「キャリア形成支援制度」を設けることが義務付けられているので、キャリアアップに向けた研修やアドバイスなども受けることができます。

 

 

無期雇用派遣とは期間の定めのない雇用形態

無期雇用派遣とは、労働者と派遣会社が期間の定めのない雇用契約を結び、派遣先企業へ派遣されて働くという働き方です。

 

一般的な有期雇用派遣では、派遣先での就業期間に3カ月～1年などといった期限を設け、派遣先での就業が終了すると労働者と派遣会社との雇用関係も終了します。

 

無期雇用派遣は、派遣先での就業が終了しても派遣会社との雇用関係が継続するため、その間も給与や休業手当を受け取ることができます。

 

派遣会社と期間の定めがない雇用契約を結ぶという点では正社員と同じですが、無期雇用派遣は派遣先企業へ派遣されて働くのが前提であり、待遇や福利厚生についても正社員と全く同じとは限りません。

 

無期雇用派遣は長く働くことが前提の働き方なので、受け入れる企業にとってもメリットが大きいです。

スタッフが入れ替わりにくいので、後任探し、仕事の引継ぎ、教育といった労力がかかりませんし、長く働いてくれることで仕事のクオリティも安定します。

 

無期雇用派遣は派遣会社での採用時に一定の採用基準を設けているため、優秀な人材が派遣される可能性が高いことも魅力です。