こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの白石です。
昨今、日本では少子高齢化が加速していて、さまざまな業界で人手不足が深刻な問題となっています。
物流業界でも例外ではなく、トラックドライバーや倉庫スタッフの人手不足に悩まされている会社は多くあります。
では物流業界が人手不足に陥っている原因は何なのでしょうか。
今回は、物流業界における人手不足の現状を解説するとともに、その原因について解説します。
物流業界の人手不足を解消するための対処方法も紹介しますので、物流企業の採用担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
物流業界の人手不足の現状について
日本国内のさまざまな企業において人手不足は慢性化していますが、特に物流業界においては深刻といえるでしょう。
令和2年7月に国土交通省が発表した「物流を取り巻く動向について」によると、国内で生産された物やサービスの付加価値を表す国内総生産であるGDPは2011年から上がり続けています。
これはつまり、2011年以降、国内の物の生産やサービスの提供による「もうけ」の合計が右肩上がりで増えているということを表しています。
その背景には、インターネットの普及による個人消費の拡大があるといわれています。
また、ここ数年の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う「おこもり需要」により、物流サービスを介した個人消費はさらに拡大し、宅配便の取り扱い件数は年々増加しているのが現状です。
今後、ますますEC(電子商取引)市場は拡大していくことが予想され、今後もさらに人手不足が深刻化していくと考えられます。
物流業界が人手不足に陥った原因
では、物流業界が人手不足に陥っている原因はどのようなものがあるのでしょうか。
いくつかの原因を解説していきます。
給与の低さ
仕事を選ぶ上で、給与に重点を置いている人も少なくありません。
そのため、平均と比べて給与が低い企業や業界には人手が集まらず、人手不足になる傾向があります。
上でも解説したように、物流業界は一般的に給与が低いとされる業界のひとつです。
他業界に人材が流出している原因として、給与の低さは見逃せないでしょう。
物流業界では、全体の仕事量は増えているにも関わらず、トラックドライバーの年間所得額は全産業の平均と比較して1〜2割ほど低い傾向にあります。
一方で年間労働時間は全産業の平均と比較して2割程度高く、トラックドライバーの労働環境は決して良いとは言えない現状があるのです。
仕事量の増加による長時間労働
物流業界から人が離れる原因として、仕事量の増加による長時間労働もあります。
昨今、インターネットやECサイトの普及により、個人宅への宅配件数は劇的に増えています。
さらに2020年から流行している新型コロナウイルス感染症の拡大により、「ちょっとしたものでも通販サイトで購入する」という方が増えたのは言うまでもないでしょう。
また、個人宅への荷物が増えたことで不在による再配達も必然的に増え、労働時間の長時間化へとつながってしまっているのが現状です。
こうして物流業界全体での仕事量が増えているにも関わらず、人手が足りないと必然的に1人あたりの仕事量が増えてしまい、長時間労働へとつながります。
このような悪循環により、物流業界へ就職したいという人が減ってきてしまっているのです。
業界のイメージ
「給与が低い」「長時間労働」など、上で挙げたような現状をそのまま物流業界のイメージとして持っている人も多いのではないでしょうか。
そのような「業界のイメージ」も、人手不足の原因として挙げられます。
特に物流業界は力仕事も多いため、女性が働きにくいというイメージを持たれることも多く、実際に女性社員の割合は他業界に比べて圧倒的に低い現状があります。
物流業界の人手不足を解消するための対処方法とは?
物流業界の人手不足は深刻です。
さまざまな対策を講じながら地道にコツコツ対策を練ることこそ、人材確保への近道となるでしょう。
企業でできる人手不足解消のための対策を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
労働環境を見直す
現在の労働環境や従業員のシフトを見直すことで、「働きづらい」というイメージを払拭できる可能性があります。
「大変な業界だから仕方ない」と諦めるのではなく、少しでも従業員の負担が少なくなるように労働環境を見直してみましょう。
労働環境の見直しの例には、シフトの見直しなどの他に以下のようなものがあります。
- できるだけ同じエリアに向かうトラックに荷物をまとめて載せ、一台あたりの積載量を増やして効率よく配送する
- 不在時でも荷物の配送が完了するよう、荷物を玄関先に置くだけの「置き配」や宅配ロッカーなどのサービスを充実させる
- 船や鉄道など別の運送方法も取り入れる
船を使った方法では、高速道路や一般道の代わりにフェリーを利用する方法も含まれます。
フェリーに乗っている間は運転をしなくて済むため、長距離ドライバーの長時間労働を防ぐのに有効で、かつ、ドライバーがしっかりと休養がとれるメリットもあるといわれています。
物流システムやロボットを導入する
物流システムやロボットを導入することで、今まで手作業で行っていた業務時間を減らせる可能性があります。
時間の短縮だけでなく、これまで人の手が入ることによって起こっていたミスを減らしたり作業の質を均一にしたりすることにもつながります。
倉庫内でピッキングを行うロボットや、倉庫内の在庫管理ができるシステムを導入することで、作業を効率化して労働環境を整えることにもつながるでしょう。
人材派遣を活用する
繁忙期や急な欠員の際には、人材派遣を利用するのもひとつの手です。
人材派遣とは、派遣会社の社員を自社に派遣して働いてもらうというサービスです。
有期雇用やその日限りの派遣もありますが、場合によっては派遣してもらった方をそのまま採用できるケースもあります。
さまざまな派遣形態を組み合わせることにより、効率良く人手不足を解消することができます。
キチナングループでも、山口県を中心に人材派遣サービスを展開しています。
製造、工場、軽作業、物流業務を行うスタッフ不足にお困りの際は、ぜひ一度お問い合わせください。
物流サービスに特化した人材派遣を利用することで、派遣当日からスムーズな業務を行うことができますよ。
人材派遣を利用するメリットについては、下記のコラムで詳しくご紹介しておりますので、あわせてご参考ください。
物流業界の人手不足は深刻!積極的に対策を練ろう
日本全国、さまざまな業界で人手不足が問題となっていますが、中でも物流業界の人手不足は深刻です。
インターネットや通販の普及により、個人宅への宅配業務は増えてきています。
しかし、給与の低さや長時間労働など、業界への良くないイメージも重なってしまったことで、物流業界の人手不足の解消にはまだ時間がかかりそうです。
そんな中、人材を確保するためには、企業がそれぞれ積極的に対策を講じることが必要不可欠となってきています。
人手不足の改善のために、労働環境を見直したり、物流システムやロボットを導入したりするなど、できる対策はたくさんあります。
人材派遣を利用して人材確保をするのもひとつの方法ですので、人手不足に悩んだ際は検討してみてくださいね。
この記事を書いた人
白石 重利
キチナングループ株式会社 生産事業部 課長
2021年中途入社。キチナングループ株式会社 生産事業部営業部。前職では大手人材企業で営業や人事にも関わっていました。プライベートでは家族との時間を大切にしています。子供がかわいすぎます。趣味はサッカーと大学時代にも夢中になっていたバンド活動。好きな言葉は「環境は自分で創る」。