こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの採用担当荒木です。
トラック運転手の仕事を検討している人の中には、牽引免許について気になっている方もいるのではないでしょうか。
牽引免許はトラックの中でも特に大型であることが多く、自走しない大きな荷台を牽引する車の運転に必要となる免許です。
「牽引免許はどうやって取得するのだろう?」「自分が運転したい車に牽引免許は必要?」と考えている方に向けて、取得方法や費用、運転のポイントなどを詳しく解説します。
牽引免許とは?免許の種類も紹介
牽引免許は、自動車で車などを牽引する場合、車両総重量が750kgを超える場合に必要となる免許です。
牽引する車を「牽引車」、牽引される方の車のことを「被牽引車」といいます。
とはいえ、牽引免許だけでは牽引車を運転できるわけではありません。
牽引車は、被牽引車の大きさに見合った大きさの車であることが一般的です。
そのため、牽引車を運転する場合には、牽引車の大きさに見合った自動車運転免許証が必要となりますので注意しましょう。
牽引免許を取得したいと希望する方のほとんどが、トラックを運転するための免許を取得しています。
トラックドライバーに必要な免許については「トラックドライバーに必要な免許は?種類や取得費用などを解説」でも詳しく解説していますので、参考にしてくださいね。
牽引免許の種類
牽引免許にはいくつかの種類があります。
免許の種類と概要についてまとめると、次のようになります。
免許の種類 | 免許の概要 |
牽引免許(第一種免許) | 公道を運転するために必要な免許 |
牽引第二種免許 | 旅客を運送するための運転に必要な免許 |
牽引小型トレーラー限定免許 | 車両総重量が750kg~2t以下のトレーラーを牽引できる免許 |
牽引小型トレーラー限定免許は、車両総重量750kgを超え2t程度までのキャンピングトレーラーを想定した免許です。
就職活動の一環として牽引免許の取得を考えているのであれば、汎用性の高い牽引免許(第一種免許)の取得を目指す方が良いでしょう。
物流業界への就職を検討している場合には「物流業界に就職するのに有利な資格は?新卒でも取得しておくべき理由」もぜひあわせてご覧ください!
牽引免許の取得方法は?必要な費用もチェック!
では、実際にどのように牽引免許を取得するのか、方法や費用についてチェックしましょう。
牽引免許には取得条件があります。
また、取得方法にはいくつかの種類がありますし、方法によってかかる費用も異なります。
自分自身にあった方法で、取得を目指すのが大切です。
牽引免許の取得条件
まずは、牽引免許の取得条件について確認します。
科目 | 合格基準 |
年齢 | 満18歳以上 |
保有免許 | 中型免許・大型免許、大型特殊免許、二種免許のいずれかを所持 |
視力 | 両目で0.8以上、片目ずつで0.5以上あること |
色彩識別能力 | 赤色、青色及び黄色の識別ができること |
深視力 | 三桿法の奥行知覚検査器により、2.5メートルの距離で3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下であること |
聴力 | 10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえるものであること(補聴器により補われた聴力を含む) |
運動能力 | 1.自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害がないこと
2.自動車等の運転に支障をきたす恐れのある四肢又は体幹の障害があるが、身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより自動車等の運転に支障をきたす恐れが無いと認められるものであること |
牽引免許の取得方法
牽引免許を取得するには、次の3つの方法があります。
- 自動車教習所に通う
- 自動車教習所の合宿に参加する
- 運転免許センターで直接試験を受ける
自動車教習所に通って牽引免許を取る場合、個人差はあるものの、一般的には最短6日ほどで教習所を卒業できます。
内容は、適性検査や運転適性検査に加え、最短12時間の技能検定です。
教習所での過程を卒業したら、最終的に試験場で適性検査を受け、免許が交付されます。
自動車教習所が実施する合宿に参加して牽引免許を取る場合でも、最短6日で教習所の過程を卒業可能です。
運転免許センターで直接試験を受ける場合は、免許センターで技能卒業検定と適正試験に合格すれば、その日だけで免許が取得できます。
牽引免許の取得費用
牽引免許を取得する際にかかる費用は、教習所に通うか、運転免許センターで直接試験を受けるかによって異なります。
教習所に通う場合、場所やコースにもよりますが、費用は約13〜19万円ほどです。
合宿に参加した場合は、最短5泊6日のコースとなります。
費用は地域や部屋割りによっても異なりますが、教習所のコースに通う場合とほとんど差はありません。
一方、運転免許センターで直接試験を受ける場合、試験手数料が4,050円、免許交付手数料が2,050円で、合計6,100円(2023年8月現在)となります。
牽引免許を取得するための試験内容とポイント
牽引免許の試験内容は第一種免許と第二種免許で異なります。
第二種免許は、旅客運送用のための牽引に必要な免許となるため、第一種免許と比較して合格基準が高く設定されています。
では、それぞれの試験内容について解説します。
牽引免許の試験内容
牽引免許(第一種免許)の試験内容に学科試験はなく、適性検査ならびに技能試験が、免許取得のための試験内容です。
試験は減点式採点法によって実施され、70%以上の成績で合格となります。
適性検査では、取得条件で記載した視力や運動能力についての検査が行われます。
技能試験で審査される能力は以下の3点です。
- 運転装置を操作する能力
- 交通法規に従って運転する能力
- 運転姿勢その他自動車を安全に運転する能力
一方、牽引第二種免許の試験内容は、技能試験前に学科試験があります。
学科試験は正誤式で文章問題90問、イラスト問題5問で、90%以上の成績であることが合格の基準です。
学科試験に合格すると、牽引第一種免許と同様、技能試験があります。
技能試験は減点式採点法によって実施され、80%以上の成績で合格となります。
技能試験のポイント
技能試験は、試験場内を周りながら、方向転換やバックでの車庫入れ、障害物の回避、S字カーブ、見通しの悪い交差点の通過などの技能を確認します。
牽引車を運転する際に注意するポイントには次のような点があります。
- 前進時|車幅感覚を意識
- 右左折時|後輪が通る場所に注意
- 後進時|進行方向を意識
それぞれを詳しく見ていきましょう。
前進時|車幅感覚を意識
牽引される車は、通常の自動車よりも車幅が広くなっているため、牽引車の車幅だけでなく、牽引される車の車幅を意識する必要があります。
運転席の位置から右側の車幅は意識しやすいため、特に左側の車幅感覚を意識するようにしましょう。
右左折時|後輪が通る場所に注意
牽引する車がある場合、車体が通常より長くなるのが一般的であるため、特に右左折時には注意が必要です。
自動車運転時には「内輪差」がありますが、車体が長くなるほど内輪差が大きくなります。
道路の端とのスペースが大きく開くと、内輪差によって事故につながる恐れがあるため、縁石とのスペースが30cm程度になるよう保ちながら、曲がることを意識しましょう。
後進時|進行方向を意識
牽引車で後進するのは、通常の自動車を運転するよりも難易度が高くなります。
牽引車と被牽引車には通常、連結部分があるため、常にまっすぐな状態を保つのが難しいからです。
牽引車で後進する際には、常に進行方向を意識しながら小刻みにハンドルを修正して、進行方向からずれないないように運転しましょう。
牽引免許が必要なケースと不要なケース
牽引する車がある全ての場合で牽引免許が必要なわけではありません。
一般的にイメージされるトラック運転手を職業とする場合には、牽引免許を必要とするケースがほとんどですが、職種や企業によっては、牽引免許が必要ない場合もあります。
ボートの場合
レジャーや釣りなどで利用するボートを牽引している車を見る機会もあると思いますが、ボートの場合も、牽引免許の車両総重量の基準は同じです。
つまり、車両の総重量が750kg以上であれば、牽引免許が必要となります。
それ以下のボートであれば、牽引免許がなくても運転可能です。
キャンピングカーの場合
キャンピングカーの場合も、牽引免許の車両総重量の基準は同じです。
小型のキャンピングカーであれば、牽引免許を持たなくても運転可能であることが多いといえます。
なお、キャンピングカーについては、750kg〜2tまでの車両総重量であれば、牽引小型トレーラー限定免許で運転可能です。
牽引小型トレーラー限定免許は、運転免許センターで直接試験を受けることで取得できます。
故障車の場合
故障車を牽引する際、牽引免許は求められません。
牽引できる故障車には重量制限がないため、車が故障した場合に限っては、ロープやクレーンを利用して、免許がなくても牽引可能となっています。
大型トレーラーを運転したい場合は牽引免許を取得しよう
就職活動でトラック運転手を希望している方で、特に大型のトレーラーなどの運転を希望する場合は、牽引免許が必要です。
牽引免許は牽引車と被牽引車の車両総重量が750kgを超える場合に必要となる免許です。
一般的な牽引免許(第一種免許)以外に、旅客運送用の第二種牽引免許、小型のキャンピングカーなどを想定とした牽引小型トレーラー限定免許の3種類があります。
牽引免許を取得するには、教習所に通う方法と教習所の合宿に参加する方法、そして運転免許センターで直接試験を受ける方法があります。
牽引車を運転するには、通常の自動車とは違うポイントがありますので、前進時、右左折時、後進時のポイントと車体の動きを理解した上で、注意して運転しましょう。
キチナングループでは入社後の資格取得やスキルアップを支援しています。
この記事を書いた人
荒木 花恋
キチナングループ株式会社 経営企画部
2022年新卒入社。吉南株式会社経営企画部採用担当。 入社後、大型ウイング車の配車を担当。2023年1月より経営企画部に異動、入社して10ヶ月で採用担当として活動中。温泉巡りが好きで山口はもちろん、九州の温泉を巡って癒されています。好きな言葉は、”人事を尽くして天命を待つ”。