こんにちは!西日本を中心に総合物流サービスを展開するキチナングループの三村です。   余剰在庫や滞留在庫は、保管スペースを圧迫するばかりでなく、作業効率低下やコスト増大につながりデメリットが大きいです。 そもそも「余剰在庫(よじょうざいこ)」と「滞留在庫(たいりゅうざいこ)」は名前が似ていますが、どう違うかご存じでしょうか。   今回のコラムでは、余剰在庫と滞留在庫の違いとともに、その発生原因やデメリットを解説します。 余剰在庫・滞留在庫を防ぐ方法や、発生してしまった際の対処法などもお伝えしますので、在庫管理に関わる方はぜひご覧ください。 倉庫に積まれたダンボール    

余剰在庫と滞留在庫の違いと発生する原因

余剰在庫とは、入荷したものの売れずに残っている在庫のこと。 「スリーピングストック」「休眠在庫」と呼ぶこともあります。 現時点では売れ残っていますが、値下げなどの工夫をすることで、将来的に売れる可能性は残っています。   一方、滞留在庫とは売れ残ったまま一定期間が過ぎ、このまま将来的にも売れる見込みがない在庫のことです。 「デッドストック」「死蔵在庫」と呼ぶこともあります。 人気や需要がなくなった商品のほか、賞味期限切れや汚れや破損のある不良品などが滞留在庫になります。   なお、滞留在庫の中でも、傷や汚れがあるなど品質不良の状態で売れない在庫のことは不良在庫ともいいます。   余剰在庫と滞留在庫の違いは、将来的に売れる可能性があるかどうかです。 売れ残った商品は余剰在庫と呼ばれ、そのまま一定期間がたって売れる見込みがなくなった商品が滞留在庫となります。  

余剰在庫と滞留在庫が発生する原因

余剰在庫・滞留在庫は、発注数や仕入れ数が多かったことから発生します。   「品切れリスクを恐れて仕入過多になった」「需要を読み間違えて売り切ることができなかった」「製造部・販売部など部門間の連携がとれていなかった」といった原因が考えられます。   また、在庫管理がしっかりできていない場合、在庫の数を正しく把握しないまま発注をして余剰在庫が発生するケースもあります。 在庫の数え間違いや発注書の記入間違いなど、単純ミスが原因で余剰在庫が発生することも。 余剰在庫が積み重なっていくと、そのまま売れずに時間がたち、滞留在庫になってしまいます。    

余剰在庫と滞留在庫が発生するデメリット

余剰在庫・滞留在庫が発生するとこんなデメリットがあります!  

資金の回収困難

商品を仕入れた段階では、経費がかかっただけの赤字。 商品を売って初めて投資した資金を回収でき、その先に利益がでます。   余剰在庫・滞留在庫で売れ残った状態では資金が回収できず、収入が入らないためキャッシュフローも悪化してしまいます。  

コストの増加

倉庫内に在庫が増えると、在庫管理の手間が増えたり作業効率が低下したりして、保管コストや人件費が余計にかかってしまいます。 倉庫に保管されている在庫は、財務上では資産として計上されるので、税金もかかります。   また、保管スペースが圧迫されることで必要な商品を保管できなくなると、チャンスロスになり売上の低下にも。 保管スペースを確保するために新たに倉庫を借りるなどすると、さらに保管コストがかかってしまうでしょう。  

品質の低下

余剰在庫・滞留在庫として長期間保管しているうちに品質が劣化し、商品価値が下がってしまいます。 賞味期限や使用期限が過ぎてしまった商品は売れる可能性もなくなってしまいます。    

余剰在庫と滞留在庫を防ぐ方法とは

倉庫管理 さまざまなデメリットにつながる余剰在庫と滞留在庫は、できるだけ避けたいもの。   余剰在庫と滞留在庫を防ぐためには、適正在庫を保つことがポイント! そのためには在庫状況や需要を正確に把握し、必要な数だけ商品を入荷することが大切です。   定期的に棚卸を行なって在庫数を正確に把握しながら、過去のデータや市場の動きを分析してトレンドや時期的な需要、リードタイムなどに合わせて発注数を調節します。   在庫管理の標準化を進めるために、在庫管理から受発注まで一元管理できる在庫管理システムなどを導入するのもおすすめです。   適切な在庫管理を目指すには、効率化も重要! 「倉庫の在庫管理を効率化!基本の方法や改善のコツをわかりやすく解説」で、在庫管理を効率化する方法やコツをご紹介しています。 こちらもあわせてご覧ください。   また、プロの物流企業による在庫保管サービスを利用するのも一つの方法です。 キチナングル―プでも倉庫保管サービスを提供しています! お客様のニーズに合わせてさまざまな幅広い荷物の保管が可能で、倉庫内での保管はもちろん、入庫から配送、輸送まで対応。 お客様の物流をトータルで支えています。    

余剰在庫と滞留在庫が発生した場合の対処法

余剰在庫と滞留在庫が発生してしまった場合の対応は、「セールで売る」「処分する」の2つ。   余剰在庫はセールなどで大きく割引をして売り切りを目指しましょう。 値引きしたとしても、売れれば仕入れ原価を少しでも回収できます。 耐久在庫に移行する前に、少しでも多く販売しましょう。   なお、滞留在庫になってしまったものは、売れる可能性はありません。 専門業者に廃棄や買取の依頼をしましょう。 廃棄してしまうと仕入れ資金の回収にはなりませんが、圧迫していた保管スペースを開けて、保管効率や作業効率を回復できます。    

余剰在庫と滞留在庫の違いは売れる可能性があるかどうか

余剰在庫と滞留在庫の違いは、将来的に売れる可能性があるかどうかという点です。 売れずに残ってしまった商品を余剰在庫といい、余剰在庫が売れ残ったまま時間がたち、売れる可能性がなくなった商品を滞留在庫といいます。   余剰在庫や滞留在庫は、仕入れ過多から発生します。 在庫数や需要を把握しきれなった、部門間での調整がとれていなかったなどの理由で、仕入れ過ぎた、売り切れなかったなどが原因となります。   単純な在庫管理ミスや発注ミスなどから余剰在庫が発生することも。 余剰在庫や滞留在庫は、売れ残ることで資金回収を困難にし、コスト増加や品質低下につながるリスクがあります。   余剰在庫・滞留在庫を防ぐためには、適切な在庫管理や需要予測を元に適正在庫を保つことが重要。 在庫管理システムを導入して在庫管理を一元化したり、プロの物流業者による倉庫管理サービスを活用したりするのもおすすめです。  

この記事を書いた人

三村 和弘

キチナンロジスティクス株式会社 営業部 課長

2021年中途入社。キチナンロジスティクス株式会社営業部。趣味はゴルフと磯釣りで、休日は妻とゴルフの練習に行ったり、職場仲間と打ちにいくこともしばしば。特技は早起きです。好きな言葉は「誠心誠意」。